主張

コロナ再拡大対策 国は病床増へ責任果たせ

政府が、新型コロナウイルス感染の再拡大に備えるため、感染力が今夏の2倍となる新たな変異株の出現を想定した対策の骨格を示した。

国の権限を最大限行使し、入院患者を受け入れる病床を2割増とすることなどが柱だ。都道府県と調整し、11月の早期に全体像をまとめる。

危機に際し国の責任で強い権限を行使するのは当然だ。感染の第5波が収束した今は、これまでの反省を踏まえて医療提供体制などを再構築すべきときである。

衆院選があっても、コロナ対策の空白は許されない。骨格を具体化し、着実に実施できる体制を迅速に整える必要がある。そのための実行力が問われよう。

デルタ株が到来した第5波では備えのもろさが露呈した。患者の急増に対応できず、入院できない人が自宅などで死亡するケースが相次いだ。

新たな対策では、現行法の権限を行使し、特に都市部で公的病院の専用病床化や臨時医療施設への看護師派遣などを求める。ワクチン接種の進展により、感染力が2倍程度になっても、病床を2割増やせば対応できるという。

感染力がさらに強ければ、国の権限でコロナ以外の患者の入院を制限し、緊急病床を確保する。

第5波では、医療機関がコロナ専門病床と申告して国の補助金を受けながら、実際には使われていない「幽霊病床」の存在も問題化した。実態を把握し、感染拡大時の病床稼働率を8割超まで引き上げるとしたのは妥当だ。原因を調べ、正当な理由がなければ補助金返還も躊躇(ちゅうちょ)してはならない。

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