CARストーリー

新時代開く、斬新デザイン ホンダ・ヴェゼル

そのデザインは、わずかな違和感を覚えつつ見る人を惹きつける。ホンダ「ヴェゼル」―。全世界で384万台を売り上げたコンパクトSUVが大胆なフルモデルチェンジを果たした。9本のスリットが目を引くフロントグリルは、「H」のエンブレムがなければ、日本車とは思えない斬新なデザインだ。エンジンを廃し2040年の電動化を打ち出したホンダ。キープコンセプトという安全策を捨て、未来への挑戦にかじを切った意欲作に試乗した。 (土井繁孝、写真も)

モデルチェンジでデザインが大きく変わったヴェゼル。販売好調で納車待ちが続く=横浜市(ソニーα1 FE70-200mm F2・8GM)
モデルチェンジでデザインが大きく変わったヴェゼル。販売好調で納車待ちが続く=横浜市(ソニーα1 FE70-200mm F2・8GM)

初代のヴェゼルは、2013年のデビュー。全長433センチ、全幅177センチのボディーは日本の道路事情にマッチして、大ヒットとなった。さらにサイズを超えた広い車内は、ライバルをリードし、コンパクトSUVというジャンルを確立した。

特徴的なフロントグリル
特徴的なフロントグリル

フルモデルチェンジした新型は、初代より迫力が増しサイズも大きく感じる。しかし、幅は2センチ増えたが全長は変わらず、高さは15ミリ低くなった。

電動化を宣言しただけあってラインアップは、ハイブリッドが主力となる。ホンダ独自の「e:HEV」は、2つのモーターが131馬力を生み出し、EVのような走り。

ホンダ独自のハイブリッド「e:HEV」を搭載
ホンダ独自のハイブリッド「e:HEV」を搭載

e:HEVは3つのグレードがあり価格は266万~330万円。装備と価格を見比べながら、クルマ選びが楽しめる。

今回、試乗したのは最高グレードの「PLaY」。イメージカラーのサンドカーキが目を引き、フロントグリルのスリットとシャープなLEDライトがサイズ以上の迫力を演出する。

大きなドアで乗降性がいい
大きなドアで乗降性がいい

運転席はベーシックな作りだが質感が高く、スイッチなども操作しやすい。小物入れがふんだんにありスマホやドリンクの置き場所に困らない。エアコンの風が直接吹き付けない「そよ風アウトレット」は女性にうれしい装備だ。

シックにまとめられたインテリア
シックにまとめられたインテリア

リアシートの間隔はさらに広くなり、跳ね上げ式も受け継いでいる。ベビーカーも楽々積めるので、子育て世代にもやさしい。

大きな荷物が積める跳ね上げ式のリアシート
大きな荷物が積める跳ね上げ式のリアシート

乗り心地はやわらかめで、荒れた路面でもごつごつ感はなく、うまくショックを吸収してくれる。道幅のせまい街中でも、見通しがよく、すれ違いにも苦労しない。

スタイリッシュなリアビュー
スタイリッシュなリアビュー

とはいうもののカーブの多い山道での走りでは、物足らなさを感じた。ドライブモードをスポーツにしたが、フワッとした乗り心地で、横揺れが気になる。クルマ好きには「TYPE―R」のような尖ったモデルがあってもいいだろう。

明るく見やすいメーターパネル
明るく見やすいメーターパネル

個性的なデザインで賛否が分かれたが販売は好調で3万台超を受注。ただ、半導体不足の影響もあり納車まで半年待ち、グレードによっては1年以上かかることもあるという。

ヴェゼルの語源は「カットされた宝石の一面」という。きらめくような輝きあるデザイン。エンジンとの決別を表明したホンダが新時代へと踏み出すニューモデルだ。