「完敗」小泉進次郎氏失速 同世代台頭、集客に陰り

聴衆とグータッチをかわす小泉進次郎前環境相(左)=17日午後、東京都町田市(奥原慎平撮影)
聴衆とグータッチをかわす小泉進次郎前環境相(左)=17日午後、東京都町田市(奥原慎平撮影)

岸田文雄政権の発足に伴い、自民党の若手注目株の顔ぶれに変化が生じている。世論調査で首相候補として人気の高い小泉進次郎前環境相が要職を外れた一方、福田達夫総務会長や小林鷹之経済安全保障担当相ら衆院当選3回の若手が党幹部や閣僚に抜擢(ばってき)された。甘利明幹事長は「脱原発」を持論とする小泉氏と対立した経緯があり、不遇の日々が続く可能性がある。

「当選すれば間違いなく大臣になる候補者の一人だ」。小泉氏は17日、東京都町田市のJR成瀬駅前で衆院選の立候補予定者をこう持ち上げた。ただ、小雨だったとはいえ、駅前に集まった聴衆は100人程度。環境相就任前は数千人規模を呼び込んだ小泉氏の集客力に陰りが生じている。

小泉氏は衆院選に際し、9月の党総裁選で敗れた河野太郎広報本部長を支持した前議員を中心に応援に回る構えだが、党内の風当たりは強い。菅義偉政権で気候変動対策をめぐり実現性に裏付けのない高い数値目標を掲げた一方、脱炭素電源である原発の有効活用を求める党内の声を黙殺したことも影響している。

先の総裁選では新たな対立も生んだ。小泉氏は8月下旬以降、内閣支持率低迷に悩む菅氏に退陣を迫り、石破茂元幹事長らとともに河野政権誕生を目指して奔走した。しかし、岸田首相と高市早苗政調会長を推した最大派閥の細田派(清和政策研究会)を挑発するような言動が反発を浴び、結果的に河野氏は敗退。「小泉氏は引っかき回しただけで結果を出せなかった。戦犯だ」(党中堅)との厳しい意見もある。

岸田政権では、衆院当選4回の小泉氏に代わるかのように若手エース格が重要ポストに登用されている。総務会長の福田氏は、小泉氏の父である純一郎元首相が仕えた福田赳夫元首相を祖父に持つ。総裁選前には若手90人を束ねて党改革を目指すグループを発足させた。

小林氏は党側で経済安保やデジタル政策の提言策定を担い、伊吹文明元衆院議長や甘利氏ら重鎮の評価が高く「将来の首相候補」といわれる。女性初の青年局長だった牧島かれんデジタル相は党デジタル社会推進特別委員会事務局長を歴任し、実務能力に定評がある。ある若手は小泉氏について「改革マインドを貫いてこそ必要とされるときが来る」と話すが、同世代が台頭する中、どう失地回復を果たすかが注目される。(奥原慎平)