北海道百年記念塔の解体計画 複数の市民団体が反対

環境生活部の担当者は「(記念塔を残すと)将来世代の負担が大きい」と強調。ただ、解体コストには消費税が含まれておらず、人件費や建築資材の高騰などを考慮すると「(試算額を)上回ることにはなるだろう」という。今月末にも委託業者から道に解体工事の実施設計案が提出される見通しで、担当者は「内容を確認した上で予算要求に向けた準備を進めていく」と話す。

新聞の意見広告について説明する百年記念塔存続プロジェクトのメンバー=8日、札幌市内(坂本隆浩撮影)
新聞の意見広告について説明する百年記念塔存続プロジェクトのメンバー=8日、札幌市内(坂本隆浩撮影)

「鋼材の熟成」

道が粛々と解体の準備を進める中、複数の市民団体が存続を求めて活動している。

建築の専門家らでつくる「記念塔の未来を考える会」の藤島喬会長は、平成30年に行われた塔の内部視察などを踏まえ、さびの原因は「老朽化ではなく、経年変化で状態が安定化するいわゆる『鋼材の熟成』に当たる」などと反論する。塔体は現在も問題がなく、長寿命化と適切な維持管理でモニュメントとして残すことができると訴える。

解体計画の白紙化と議論のやり直しを求める「北海道100年記念塔を守る会」(野地秀一会長)は、昨年11月から考える会との連携で新聞に意見広告を出す「百年記念塔存続プロジェクト」を展開。インターネット上で資金提供を募るクラウドファンディングで300万円の目標額を上回る370万6000円の寄付を集め、今月10日に地元紙の北海道新聞で「話し合いをせずに、ものごとは決められない」とする意見広告を出した。道民の機運を高めるため、これまで集めた約1万筆の署名を2万筆まで上積みし、道議会へ要請する活動も同時に進める。

記念塔が建つ札幌市厚別区の野幌森林公園は道民の憩いの場として今も多くの人が足を運ぶ。自宅から記念塔が見えるという70代女性は「毎日の生活に記念塔の存在がある。維持にたくさんのお金がかかるなら仕方ないけれど、残せるものなら残してほしい」と寂しそうに語っている。(坂本隆浩)