93歳が店長、最年少70歳の団子店「卑弥呼」

だが、当初はなかなか賛同が得られなかった。「どうやって運営するのか」「その年齢で大丈夫か」。そんな指摘もあったが、地元を盛り上げたいという思いで説得を続けた。女性部の部員らの出資を受ける形で、平成22年3月、「卑弥呼」はオープンした。

客との会話が支え

10年以上、団子を焼き続けている林さんは、「スタッフやお客さんと話すことが支えになっている。お店という居場所があり、恵まれている」と感謝する。

夫とは死別し、現在は店から歩いてすぐの自宅で、長女(67)と2人暮らし。午前6時半に起床し、午前中は家事をして午後0時半ごろに店へ出勤する。

店自慢のみたらし団子を焼く「まほろばの里 卑弥呼」店長の林千鶴子さん=奈良県桜井市
店自慢のみたらし団子を焼く「まほろばの里 卑弥呼」店長の林千鶴子さん=奈良県桜井市

そこからは団子を焼いたり接客をしたり、毎日忙しく働く。「コロナで店に来る観光客も減って寂しかったが、最近は少し回復している。早くコロナ前のように人が来てほしい」といい、元気なうちは店に立ち続けると決めている。

「桜井は歴史がある場所で、誇りに思っている。桜井駅前がもっとにぎやかになるよう盛り上げたい」

働く高齢者に高まる期待

総務省のまとめによると、65歳以上の高齢者は9月15日時点で3640万人で、総人口の29・1%を占める。

就業している高齢者は、令和2年で906万人と最多を更新。高齢者の就業率は25・1%となり、9年連続で上昇した。また、15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合も、13・6%で過去最多になった。

奈良県外国人・人材活用推進室の担当者は「人手不足の問題がある中で、元気に働く高齢者に期待が寄せられている。現役で働く意欲のある高齢者が活躍できる場を広げていきたい」としている。(前原彩希)