漫才という仕事がなくなる、終わったなと思いました-芸歴46年のベテラン漫才師、オール巨人さんの言葉だ。漫才や落語、喜劇に代表される上方の「お笑い」文化の担い手たちは、コロナ禍で「お笑いは不要不急なのか」と自問自答した。担い手たちの葛藤と模索の日々を振り返りながら、「お笑い」の現在地と未来を考える。(全3回連載)
試練-死者1万8千人という現実
新型コロナウイルスの感染「第5波」は夏休みシーズンと重なった。8月2日、大阪府に4度目の緊急事態宣言が出されると、約900人収容の劇場「なんばグランド花月」(NGK、大阪市中央区)は客席使用率を8割から5割に引き下げた。