米航空宇宙局(NASA)は16日、小惑星群「木星トロヤ群」の世界で初めての接近観測を目指す探査機ルーシーを、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げた。12年かけ、木星とほぼ同じ軌道で回る七つの小惑星と、火星と木星の間にある一つを巡る。太陽系形成史の謎に迫ることが期待される。
トロヤ群は計7千個以上の小惑星の集団で、46億年前に太陽系ができた際の残りかすとされている。木星の前と後ろの2集団があり、表面の色も微妙に違う。それぞれ別の場所で形成された可能性もある。
小惑星に近づいて高解像度カメラで撮影するなどして、形や組成を調査。太陽系の惑星や小惑星がなぜ今の場所に収まったのかを探る。
探査機は2025年、火星と木星の間にある小惑星の一つに寄った後、27~33年にトロヤ群の七つを順次訪ねる。(共同)