<独自>「背任、加担するわけない」日大理事長、再聴取に否定

田中英寿理事長=2016年7月
田中英寿理事長=2016年7月

日本大学の付属病院の建て替え工事をめぐる背任事件で、東京地検特捜部が日大トップの田中英寿理事長(74)を13日に任意で事情聴取し、田中氏が「背任行為に加わるはずがない」などと事件への関与を否定していたことが14日、関係者への取材で分かった。特捜部は先月にも田中氏を複数回、事情聴取していた。

背任事件をめぐり、特捜部は田中氏に対し、日大としての被害届を提出するよう求めたが、田中氏が拒否したことも判明。一方、日大側は慎重に提出の可否を検討している。

関係者によると、田中氏は入院中で事情聴取は入院先の病院で行われた。医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事の設計契約への関与などについて改めて確認したという。

特捜部の調べに対し、田中氏は老朽化が進んでいた板橋病院の建て替え工事は長年の課題で、実現のために尽力してきたと主張。日大理事、井ノ口忠男容疑者(64)=背任容疑で逮捕=が主導したとされる資金流出について、「流出が事実ならば、工事を阻害するものだ。私が加わるはずがない」という趣旨の説明をし、受注した都内の設計会社の選定への関与も否定したという。

田中氏はこれまでの聴取に対しても、資金流出について関与を否定し、「金も受け取っていない」と主張していた。

特捜部は9月上旬、日大本部や、都内にある田中氏の自宅などを家宅捜索。今月7日に、日大が設計会社に支払った着手金の一部2億2000万円を都内のコンサルタント会社に送金させ、損害を与えた背任容疑で、井ノ口容疑者と、大阪市の医療法人「錦秀会」グループ前理事長の籔本雅巳容疑者(61)を逮捕した。同日、田中氏の自宅も改めて関係先として家宅捜索した。