子供の転落事故続発、コロナ在宅影響 低層もリスク

事故防止のためにできることは
事故防止のためにできることは

大阪市北区のタワーマンションで、4歳の女児が死亡した。25階にある自宅ベランダから転落したとみられ、大阪府警が経緯を調べている。同様の事故は各地で起きており、国土交通省が6月、自治体などに注意を促したばかり。新型コロナウイルス禍で親子の在宅時間が増えた影響も考えられ、低層階でもリスクがあるという。専門家が対策の徹底を求めている。

大阪での事故は今月13日朝に起きた。府警によると、マンションのエントランスの屋根で倒れている女児が見つかり、その後、死亡が確認された。25階の自宅ベランダには高さ約1・3メートルの柵があったが、近くには木製の椅子が置かれていた。同居する母親は「部屋の中で走り回っているのを見たが、途中で姿が見えなくなった」と説明しているという。

国交省によると昨年度の1年間で、計5件の子供の転落事故が報告された。ベランダの物干しざおや、椅子に登ったりしたことなどが原因とみられている。同省は対策として、ベランダや窓の近くに、子供がよじ登れる物や家具を置かないよう呼びかけている。

低層階だから安心というわけでもない。消費者庁によると平成26~30年、9歳以下の子供が建物から転落死した事故は全国で計37件。事故が起きた階数を調べたところ、最多は「10階以上」(9件)で、次いで「8階」(5件)だったが、3番目に多かったのは「3階」(4件)。さらに「2階」でも3件の死亡事故が起きている。

東京消防庁の救急搬送データを分析したところ、2階からの転落でも、入院が必要と診断されるケースが相次いでいた。

年齢別では3~4歳の事故が最も多かった。時期で見ると、窓を開けたり、ベランダに出たりする機会が増える初夏と秋に事故が増える傾向があり、引き続き注意が必要といえる。

「子供は日々成長する。昨日登れなかったはずの柵に、今日登れてしまうこともある」。子供の事故リスクに詳しい「こども環境研究センター」の織田正昭研究員(母子保健学)はそう指摘する。

織田氏によると、子供の高さに対する感覚は4歳ごろまでに、大人の8割程度まで成長する。だがその時期を高層マンションで過ごすと、高い場所が危険だという感覚が育ちにくい傾向があるという。

「コロナ禍で外で遊ぶ機会が減り、ベランダを遊び場にしてしまう家庭も多いだろう」と織田氏。柵を高くするなどの物理的対策に加え、高所を正しく恐れることを理解させるような子供の心理にあわせた対応も必要との考えを示した。