昭和12年のJR九州「気動車」国重要文化財に

国の重要文化財に指定されることになったJR九州所有の鉄道車両=北九州市
国の重要文化財に指定されることになったJR九州所有の鉄道車両=北九州市

JR九州が所有する昭和12年製造の鉄道車両が、15日に開かれた国の文化審議会の答申を受け、国の重要文化財に指定されることになった。車両はエンジンを搭載した「気動車」で、気動車が指定されるのは初めてという。

車両は現在、北九州市門司区の九州鉄道記念館に展示されている。ガソリンやディーゼルを動力とし、大阪府内など都市近郊で使われた後、昭和32~44年に大分県九重町と熊本県小国町を結ぶ宮原(みやのはる)線(廃線)で使用された。

製造当時の姿を残す内装
製造当時の姿を残す内装

車両は製造当時の姿を残し、先頭が丸みを帯び、扉付近にロングシートが設けられている。車のマニュアル車のような機械式の変速装置があり、山間部の急勾配の路線を、運転士が巧みに操作して走っていたという。国鉄が当時製造した同形式の気動車62両のうち、機械式変速装置が残る唯一の車両で、鉄道車両の技術発展を知る上で貴重な資料と評価された。

同記念館では、潮風で車体が腐食しないよう、定期的に油を塗り、窓を拭き上げるなどして保存してきた。同記念館の開館時に見学可能だが、車内は一般公開されていない。

上原茂美館長は「後世に車両が伝えられるよう、引き続き保存に努めたい。周辺にはレトロを感じさせる多くの施設があり、指定が観光の起爆剤になればと思う」と話した。

同記念館は午前9時~午後5時開館、入館は午後4時半まで。第2水曜日休館。