郵便データ活用初会合 「社会から懸念にも配慮を」

日本郵便
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総務省は15日、郵便局の持つ転居などの個人情報活用に当たっての注意点や活用事例を議論する有識者会議の初会合を開催した。今後、個人情報保護委員会など関係省庁や有識者、日本郵政の担当者らで、個人情報保護法などに抵触しない活用方法を探り、来年7月までに情報活用のガイドライン(指針)を改正する。法令順守に加えて、社会から受け入れられる活用の方法を探る必要がありそうだ。

初会合では、自治体など公共機関に郵便局の持つ情報を提供できるのはどういう場合かなどを議論することが示された。会議に出席した前橋市長が要望した空き家対策のほか、税金滞納者の徴収や土砂災害時の安否確認などへの活用やその際の注意点などが議論される見通しだ。

一方、個人から預かった情報を匿名化するなどして他企業に提供する「情報銀行」など郵政が新規事業を始める際の個人情報保護の注意点も議論される。その際に具体的に郵政側が今後始める新規事業を例示することや、海外のデータ活用事例を参考にしていくことが求められた。郵政幹部は「法令の順守に万全を期す。顧客に納得感のある取り組みが必要と認識している」と述べた。

一方で、不祥事が後をたたない郵政グループの個人情報の活用は、社会的に批判を招きやすい。構成員の情報経営イノベーション専門職大学学長の中村伊知哉氏は「(郵政の持つ情報を)商売に活用していいのか懸念や不安の声もある。社会の受容性は、法律以上に重要な部分があるので気をつけていきたい」と述べた。(大坪玲央)