自民公認争いの山口3区 河村元官房長官が引退で幕引き

交差点でつじ立ちする河村建夫氏=11日、山口県宇部市
交差点でつじ立ちする河村建夫氏=11日、山口県宇部市

自民党のベテラン同士による直接対決が決定的とみられていた山口3区(山口県宇部市、萩市など)は、河村建夫元官房長官(78)の立候補見送りにより、参院議員を辞職した林芳正元文部科学相(60)との分裂選挙が回避される見通しになった。解散当日に分かれた明暗を、地元関係者はどう受け止めたのか。

直前まで林氏との対決姿勢を鮮明にしていた河村氏。林氏のくら替えを「党の規約違反」と激しく批判し、7月以降は毎週、宇部市の交差点でつじ立ちを重ねてきた。今月11日にも報道陣から立候補の意欲を問われ、「もちろんそうだ」と即答していた。

その2日後、事態は急変する。地元関係者によると、党は13日、河村氏に「林氏を公認としたい」との考えを示した。これを受け河村氏は地元後援会に対し、「党の分裂は本意ではない。党の決定に従いたい」と述べ、政界引退の考えを示した。後援会関係者は14日、取材に言葉少なだった。「先生の考えに従うだけです」

有権者も揺れた。宇部市の主婦(82)は「党内のいざこざに市民が巻き込まれていた感じ。2人の主張にも差がないように感じていた」。同市の男性会社員(43)は「河村さんは頑張っていたが、林さんが優勢なのは目に見えていた」と話した。

確かに地元では、県議を中心に林氏の公認を求める意見が強かった。林氏は主に週末、ミニ集会などを積極的に開き、支持を広げてきた。林氏を支持する県議はこの日、「河村さんが出馬しなくても林さんの選挙戦が変わるわけではない。衆院議員は林さんの長らくの夢。地道に支援を続けたい」と述べた。

山口3区には、立憲民主党の坂本史子氏(66)も立候補を表明している。(石橋明日佳)