箏の遠藤千晶リサイタル 30日にオケと共演

箏の演奏家としてだけでなく、新曲の委託作曲や後進育成でも活躍する遠藤千晶
箏の演奏家としてだけでなく、新曲の委託作曲や後進育成でも活躍する遠藤千晶

オーケストラと共演する箏(こと)の協奏曲を、新たに生み続けている箏曲演奏家、遠藤千晶。30日午後2時から東京・紀尾井ホールで催されるリサイタル「clear」では、大河ドラマ「天地人」などの音楽を手掛けた作曲家、大島ミチルによる「箏と尺八のための協奏曲第2番-Seasons12-」が、初演される。

「クリアには『明るく澄んだ』だけでなく、『障壁を超える』の意味もある。東西の音楽の壁を超え新たな音楽を切り開き、コロナ禍の閉塞(へいそく)感を乗り越えたいとの願いを込めた」と遠藤。目玉となるのが、遠藤の委嘱で大島が作曲した〝箏と尺八のコンチェルト(協奏曲)〟の第1番と第2番の演奏だ。「無限の扉」との副題がついた第1番は、メロディアスな旋律が好評で再演を重ね、それが今回の第2番誕生にもつながった。今作は日本の季節の移ろいがテーマで、尺八は藤原道山、日本フィルハーモニー交響楽団との共演と、豪華な顔ぶれで初演される。

「私は13弦の箏の響きにこだわり続けたい。箏を未来につなげるため、古典からの流れも大切にしたい」との言葉通り、箏の歴史的名曲も披露される予定。17世紀に近世箏曲の基礎を作り上げた八橋検校作曲「六段の調」のほか、〝日本初の箏の協奏曲〟といわれる宮城道雄作曲「平調『越天楽』による箏変奏曲」なども演奏される。

問い合わせは090・7813・7755。動画配信あり。

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