岸田首相記者会見詳報

(5)「新しい資本主義実現会議は15日設置」

政治 会見する岸田文雄首相=14日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
政治 会見する岸田文雄首相=14日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

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--東京電力に原発を再稼働する資格があると考えるか。再稼働について地元の理解を得るために原発の立地地域とどのように向き合うのか

「まず私自身のこのエネルギー政策については、従来から何度も申し上げているところです。先ほどお答えさせていただいた、2050年カーボンニュートラル、2030年マイナス46%、こうした目標は堅持をし、エネルギーを考えていかなければいけない。

その際に、再生可能エネルギーをしっかり進めていく、割合を増やしていく、これは大変重要なことではありますが、先ほどから再三出ているように、わが国もこれから思い切ったデジタル化を行わなければいけない、電力使用量もですね、もう画期的に増えてしまう、こういった現実を前にしますと、再生可能エネルギー一本足打法では、この安定供給や価格の問題に十分対応できないということもありますので、いろんな選択肢を用意しなければならないということで、この水素やさまざまなエネルギー源の中に、この原子力ということも一つ選択肢として、用意しておくべきであるというのが私の考え方です。

その全体像の中で、この原子力を考えた場合に、おっしゃるように現実は大変厳しいものがあります。この現実にしっかり向き合っていかなければならない。まずはご指摘の柏崎刈羽原発については、これは核セキュリティーの事案として大きな問題が起こっています。そして、結果として、再稼働の見通しが立ってないということでありますので、これについては、まずは東京電力が、この再発防止策、これ徹底的に遂行し、それが地元の皆さんにとって、十分理解されるものかどうか、これはしっかり問われなければならないと思いますし、そして科学的な見地からも、その原子力規制委員会の、この検査これをしっかりとクリアできるかどうか、これをしっかり見ていく、それを地元の皆さんにもしっかり説明をして、ご理解をいただく、こういったことが大事なのではないかと思います。

ご指摘のこの柏崎刈羽原発については、こうした東京電力の取り組みをしっかり見ていかなければなりませんし、その取り組みを国民の皆さんにしっかり理解してもらう、こういった努力が重要であると思っています。このように大きなエネルギー政策の中で、一つ一つの原発の在りようについて丁寧に対応していくこうした努力が大事であると私は考えます。

--「新しい資本主義実現会議」は明日(15日)、正式に設置されるのか。会議を設置する目的は。野党は岸田内閣が安倍晋三政権、菅義偉(すが・よしひで)政権と本質的に変わらないと批判している、どのようにして払拭するのか

「まず会議については、明日設置をするということになります。その設置をし、メンバーを発表し、できるだけ早い時期にこの会議を実際開きたいと思っています。それからその設置する理由ですが、これはまさに先ほど質問の中にもありましたように、新しい経済政策、新しい資本主義、私はこの新しい経済政策を進めないと日本の経済の好循環、これはしっかりと回復することができないと信じています。そのためには、先ほど言いました多くの関係者、官民の協力が必要になります。できるだけ多くの皆さんに、この理念を共有してもらって、共に協力してもらわなければいけない、その際にできるだけ幅広い分野の有識者の方々にもこの議論に参加していただいて、国民の皆さんにどう説明するのか、そもそもその理念をよりブラッシュアップして、分かりやすい説得力がある、こういったものにしていかなければなりませんし、その上で、多くの皆さんに理解してもらう、こうした社会の雰囲気を作るためにも、こうした会議を作ることこれが大事であると思っています。

そして違いということですが、これはですね先ほど申し上げたように、これ「分配、分配」というだけの野党案とは、野党の政策とは、間違いなく違うと思っていますし、成長と分配ということについても市場任せではない、トリクルダウン任せではない、やはり、能動的に成長と分配を考えていく、これこそ今この世界的な、この経済政策の潮流であると信じています。こうした世界の潮流にもしっかり乗り遅れないように、日本がこのしっかりとした経済政策を進めていくんだと、こうした大きなこの方向性についてしっかり説明していく、これは選挙戦を通じて大変重要なことなのではないかと思います。なんか三番煎じだとか、まったく違いが分からないとか、おっしゃってる方もおられるようですが、今申し上げたように、間違いなく世界の潮流はこっちだと思いますし、日本もこうした考え方に基づいてしっかりと新しい経済を進めていかなければならない。

そして、結果として所得を引き上げるということ、一部の人の所得を引き上げるんじゃなくて、幅広い方々の所得を引き上げることによって、消費、経済の循環にとって大切な消費、これを喚起する。消費を喚起すれば、今度は供給側も投資や開発、研究開発こういったものに思い切ってお金を使う、こういったことで経済の好循環がようやく完成するんだと思います。ぜひ所得を引き上げ、消費を喚起して、経済の好循環を完成するところまで持っていたならば、日本のこの新しい時代の経済も持続可能性をしっかり取り戻すことができるのではないか、この中でも、しっかり皆さんに説明していくことが大事であると、私はその先頭に立って、この新しい時代の経済について訴えていきたいと思ってます」

=(6)に続く

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