「恋に遊ぶ」野村万作が卒寿記念公演 国立能楽堂

(右から)野村万作、野村萬斎(「万作の会」提供)
(右から)野村万作、野村萬斎(「万作の会」提供)

今年90歳を迎えた和泉流狂言師で人間国宝の野村万作が今秋、東京・国立能楽堂で、自身主宰の「万作を観(み)る会」と長男、萬斎(55)が主宰する「狂言ござる乃座」で卒寿記念公演を開催する。

今回、万作が自身の会(11月21日)で演じる「枕物狂(まくらものぐるい)」は百歳を超えた祖父(おおじ)が恋に悩んでいるという噂を聞きつけ、2人の孫が事実ならかなえてやりたいと真相を尋ねに行く話。孫役を実際の孫の裕基(22)が演じ、地謡で萬斎が出演。親子孫三代が共演する。

万作は、この演目を還暦で初演して以来30年ぶり。「『枕物狂』のような老人の曲は習うというより、今まで自分が積んできた芸の上で、自分が創り上げるもの」とした上で、「恋に遊ぶという感じがいちばん狂言らしい恋のありようだと思っている」と意気込む。

一方、萬斎の会(10月28・31日)では、狂言の中で最多の出演者が登場する「唐人相撲(とうじんずもう)」を上演。萬斎は「父をお祝いする形にしようということで『唐人相撲』を取り上げた」とし、「父と縁のある門弟総動員でやらないとできない。人がそれだけそろっていることだと思う」と述べた。

萬斎は「2つ(の公演を)合わせて父の芸境をごらんいただきつつ、にぎにぎしくお祝いの会をするというセット感があるかと思う」と来場を呼び掛けた。