二階派元県議vs小沢氏側近 衆院埼玉7区で舌戦

衆院が14日に解散され、与野党は衆院選(19日公示、31日投開票)に向けて事実上の選挙戦に突入した。自民党新人と立憲民主党前職の激戦が予想される埼玉7区では、立候補予定者たちがさっそく街頭で舌戦をヒートアップさせた。

埼玉7区には、自民党新人で元県議の中野英幸氏(60)、立憲民主党前職の小宮山泰子氏(56)、日本維新の会新人で元貿易会社員の伊勢田享子(みちこ)氏(44)の3人が立候補を予定しており、中野、小宮山両氏の戦いが軸となる見通しだ。

中野氏は二階俊博前幹事長が率いる二階派(志帥会)に所属し、二階氏の裁定によって公認を得た。対する小宮山氏は、旧民主党時代に党内最大勢力を率いた小沢一郎氏の側近の一人として知られる。中野、小宮山両氏の一騎打ちは与野党の重鎮の威信がかかった戦いでもある。

中野氏は14日午後5時半ごろ、埼玉県川越市の商業施設前に立った。買い物客らに「政権選択選挙だ」と訴えかけ、続く言葉で次のように強調した。

「たゆまず改革を続ける自公政権を選ぶのか、立憲民主党をはじめとする政策の違う人たちが作った不安定な政権に生活を任せるのか。しっかり判断してほしい」

7区では前回選で候補を立てた共産党が擁立を見送り、小宮山氏が実質的な主要野党統一候補となった。

政策の隔たりを棚上げにした野党共闘に矛先を向ける中野氏だが、その批判は危機感の裏返しでもある。

「共産党をはじめとする野党各党の動きは『見えない力』。これにどう対抗するか…」

中野氏は選挙区内の大票田・川越市に厚い地盤を持つが、対する小宮山氏も当選6回のベテランだ。中野氏は「小宮山氏は知名度がある。こちらは隅々まで声を行き渡らせるしか手立てがない」と語る。

一方、中野氏がマイクを握った数十分後、小宮山氏もJR川越駅(川越市)前で街頭演説に臨んだ。訴えにちりばめたのは、中野氏と同じ「政権選択選挙」という言葉だった。

「いびつな政治を変えるチャンスだ。ともに変えていこう」

現政権では新型コロナウイルス対策などの政策を効果的に進めることはできないと主張し、「岸田文雄内閣の実情は安倍晋三内閣そのままだ」と対決姿勢を鮮明にした。

演説後、偶然すれ違った自民党関係者に、小宮山氏は前職の余裕をにじませて宣戦布告した。

「(選挙戦を支える)人数では間違いなく負けている。しかし私は自分の声、自分の考えで戦う」(中村智隆、深津響)