10度以下でも正確 マスクで顔認識 測温装置が進化 - 産経ニュース

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10度以下でも正確 マスクで顔認識 測温装置が進化

アイメックスのタブレット型の測温装置「AM520RT」
アイメックスのタブレット型の測温装置「AM520RT」

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、建物の入り口など随所で見かけるようになった測温装置が多様な進化を遂げている。顔を近づけると反応して体温を測定し、高熱などの異常を検知すると音や光で警報を発するだけでなく、コロナ後を見据え、入退室管理や勤怠管理、健康管理といった機能を搭載したものも登場。昨年の一斉導入を特需に終わらせまいと、メーカーの創意工夫が続けられている。

バーコードリーダーなどを手掛けるアイメックス(東京都大田区)は、タブレット型の測温装置「AM520RT」の販売に力を入れている。同装置は10度を下回るような低温下でも正確に体温を測ることができるほか、構内情報通信網(LAN)や入場ゲートとの連動、電子機器のオンオフ操作などに使う接続ポートを備え、幅広い機能拡張に対応する。最大5万人分の顔認識データベースを内蔵し、単体で入退出管理も可能だ。

「冬場でも、低温に強いこの装置は屋外で使用できる。価格も20万円強に抑えた。まだ普及が進んでいない従業員100人以下の中小企業なども開拓したい」(アイメックス営業担当者)という。

業務用プリンター事業などを展開するデュプロ(東京都豊島区)は、商業施設向け機器事業などを手掛けるフジタカコーポレーション(京都市下京区)と共同で簡易ゲートシステム「Pit Sat」を製品化した。同装置も測温のほか顔認証による入退場管理に対応。ゲートの部分にはICカードやQRコードの読み取り装置を搭載し、多彩な入退場管理を実現する。「これまでは個別に稼働していた測温や顔認証、カード類などによる認証、ゲート機能を1つの装置にまとめた」(フジタカコーポレーション関係者)もので、学校などへの売り込みを強めるという。

さらなる高機能を追求する動きもある。

IT機器・システム開発のダンボネット・システムズ(東京都中央区)は、昨年投入した測温システム「DC77」の機能拡張を進めている。同装置は、測温はもとより、独自の人工知能(AI)技術でマスクを着けたままでも97%以上の精度を保ち、最大同時に20人を顔認証するという高性能が売りだ。既に2400システムが稼働しているが、月内にはその最新版も市場投入する。「測温、認証と同時に体調について質問し、〝はい〟と〝いいえ〟で答える問診機能を搭載したタイプを月内に投入。まずは大阪府内の病院に設置する」(尾崎憲一代表取締役)。高機能モデルでも価格は80万円強。「機能のわりに低価格が実現できた。今後も熱中症検知機能も付加して学校向けにニーズを開拓するなど市場の掘り起こしを進め、特需だった昨年と同様の受注を目指す」(同)という。

先月末で緊急事態宣言が全面解除されたのを受け、経済活動の本格的な再開に期待は高まっているが、引き続き感染対策を徹底する必要がある。もはや測温装置は必要不可欠で、今後も交換需要が見込まれる。継続的な需要を取り込むために付加価値を追求し、新たな事業分野に育てようという取り組みが本格化している。(青山博美)