「睡眠負債」解消へ久留米市やベンチャー企業連携 - 産経ニュース

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「睡眠負債」解消へ久留米市やベンチャー企業連携

睡眠を測定する腕時計型端末
睡眠を測定する腕時計型端末

睡眠測定の高い技術を持つ東大発のベンチャー企業「アクセルスターズ」(福岡県久留米市)を中心に、睡眠研究で実績がある久留米大学(同)や同市など産官学の6者が連携。睡眠健診の導入により、社会問題化している「睡眠負債」の解消を目指していくことになった。

連携する他の団体は、ブリヂストン▽久留米医師会▽ふくおか公衆衛生推進機構(福岡市)。

睡眠負債の解消を目指して連携する産官学の代表ら
睡眠負債の解消を目指して連携する産官学の代表ら

アクセルスターズは、福岡県出身で、体内時計研究の第一人者である東大大学院医学系研究科の上田泰己教授が昨年、久留米リサーチ・パークに設立した。世界最高の精度とされる睡眠測定の腕時計型端末を開発した。

睡眠はこれまで、入院して頭部などに測定器を着け診断していたが、腕時計型端末は、腕に着けておくだけで、筋肉の動きを解析することにより睡眠と覚醒が8割以上測定できるという。

共同研究は3年計画で、この端末を使い、シフト勤務があるブリヂストン久留米工場や久留米市職員の睡眠健診を実施してデータを収集。それぞれの病歴などと照合して、睡眠と疾患の関連性を調べる。集めたデータを基に、睡眠不足が蓄積した睡眠負債による生活習慣病やうつ病などの疾患の予防と治療を目指す。最終的には久留米モデルの睡眠健診を全国ベースに拡大するのが狙い。

久留米市役所で11日、6者の代表が記者会見。上田教授は「日本人の睡眠時間は先進国の中でも最悪だ。睡眠負債はやがて破綻しさまざまな病気につながっていく。関係団体が連携して健康な睡眠がとれる社会を実現したい」と決意を述べた。

日本睡眠学会の理事長でもある久留米大の内村直尚学長は「戦後、日本人の睡眠は1時間短くなり、巨大な経済的損失を生んでいる。失われた睡眠を取り戻し、健康寿命を延ばしていきたい」と語った。(永尾和夫)