ウイスキー樽を再生利用、ダイニングセットに サントリー新製品

椅子の背もたれや食卓の天板は樽のような丸みを持たせている=14日、大阪市北区(田村慶子撮影)
椅子の背もたれや食卓の天板は樽のような丸みを持たせている=14日、大阪市北区(田村慶子撮影)

サントリーホールディングス子会社のサントリースピリッツは14日、ウイスキー熟成用の使用済み樽(たる)を再生利用した家具シリーズ「樽ものがたり」の新製品を披露した。国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関心のある層などにも売り込み、ウイスキーのファン層拡大も狙う。

新製品は4人掛けの食卓(12万1千~13万5300円)と椅子(4万5100~5万3350円)で、大阪・梅田の直営店や公式サイトなどで販売している。

使われたのは、原酒を育み、役目を終えた北米産ホワイトオーク樽で、長いものでは50~70年使い込んでいるという。ウイスキー樽には、丸太の中心から放射線状に切り出した「柾目板(まさめいた)」が使われており、年月を経ても反りが少なく、美しい木目の個性も楽しめることで高級家具材としても人気。新製品は重厚感を抑え、若者向けにややカジュアルなデザインに仕上げた。

樽の形をそのまま生かしたキャビネット。ウイスキーボトルなどを収納するのにぴったり=14日、大阪市北区(田村慶子撮影)
樽の形をそのまま生かしたキャビネット。ウイスキーボトルなどを収納するのにぴったり=14日、大阪市北区(田村慶子撮影)
昔懐かしいちゃぶ台もある。「テレワーク用に買う人も多い」と担当者=14日、大阪市北区(田村慶子撮影)
昔懐かしいちゃぶ台もある。「テレワーク用に買う人も多い」と担当者=14日、大阪市北区(田村慶子撮影)

山崎(大阪府島本町)、白州(山梨県北杜市)の両蒸留所のウイスキー樽を家具などに再生した「樽ものがたり」は、ウイスキーの品質や価値観を伝えようと、平成10年に事業がスタートした。以来、中高年のウイスキー愛好家らの間でひそかな支持を集めてきた。事業を本格化する前は樽を真っ二つにした植木鉢などを売っていたが、曲がった樽材を蒸し、圧力をかけることで真っすぐにする「曲げ伸ばし技術」を開発したのを機に、家具やインテリア雑貨などをシリーズで展開するようになった。

現在は約230種類のラインアップをそろえ、樽の曲線をあえて生かしたテーブルや椅子などの「バレルシリーズ」や、展示用の化粧樽は「ウイスキーの世界観が楽しめると買い求める熱心なファンも多い」(広報担当者)という。

生まれ変わった家具からは洋酒の香りが漂いそうだが、曲げ伸ばしするための蒸し工程などによって、ウイスキーの香りは消えている。ただ、製品によっては熟成させていたウイスキーのシミが残っていたりと味わい深い。サントリースピリッツの高橋由佳・樽ものがたりグループ課長は「樽材から生まれたという物語に思いをはせ、このテーブルで食事や会話をしながらウイスキーを楽しんでほしい」と話している。