山口FGが異例の前会長辞任勧告 - 産経ニュース

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山口FGが異例の前会長辞任勧告

記者会見する山口フィナンシャルグループの椋梨敬介社長(左)=山口県下関市
記者会見する山口フィナンシャルグループの椋梨敬介社長(左)=山口県下関市

山口フィナンシャルグループ(FG)は14日、臨時取締役会で新銀行の設立構想をめぐり解任した吉村猛前会長グループCEO(最高経営責任者)の取締役辞任を求める勧告を決議した。新銀行構想など一連の経緯から、取締役としての資質を有していないと判断した。吉村氏が6月に解任されて以降続く混乱は、取締役会による辞任勧告という異例の事態に発展した。

辞任勧告決議は取締役10人のうち、吉村氏を除く9人の賛成で可決された。山口FGによると、吉村氏は決議に従い辞任するかどうか回答していない。今後、年内にも臨時株主総会を開き、新たな取締役を選任する。吉村氏が辞任しない場合は、解任を諮る見通しだ。

14日の臨時取締役会では、新銀行構想に関する社内調査本部の報告書を受け、今後の対応を審議した。報告書では、調査を通じ、吉村氏の取締役としての資質について「否定的な見解」を示した。

椋梨敬介社長は臨時取締役会後、山口県下関市で記者会見し、吉村氏について「当社のあるべきガバナンスを逸脱した言動をとっていた。取締役としてふさわしくない」と述べた。

山口FGは同日、調査報告書も公表した。

報告書や関係者によると、吉村氏は消費者金融大手アイフルと提携し、個人向けに特化した新銀行の設立を計画し、アイフル側と口頭で合意した。新銀行のCEOには、親交のあるコンサルタント会社元役員を1億円以上の報酬で迎えようとした。

報告書では、経営上の重要事項にもかかわらず、いずれも取締役会の決議を経ずに進めており、「CEOの権限逸脱」と認定した。また、証券会社との提携解消を独断で協議するなど、訴訟に発展する恐れのある重大なリスク情報を社内で共有しなかったことも指摘した。

吉村氏に権限や情報が集中する社内構造が問題だとし、経営管理体制の再検証を求めた。

椋梨氏は「吉村氏に権力が集中したのは企業風土の問題。早急に改善に取り組みたい」と話し、権限集中の主な要因となったトップ専属のCEO室を1日付で廃止したことを明らかにした。

山口FGは今月7日にも臨時取締役会を開き、調査報告書を受けた対応を議論した。当初は同日にも対応方針を決定し、調査結果と併せて公表する予定だったが、審議を継続する必要があるとして、公表を見送っていた。