【ソウルからヨボセヨ】自分の気持ち 相手の負担 - 産経ニュース

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阿蘇山が噴火、黒い噴煙

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ソウルからヨボセヨ

自分の気持ち 相手の負担

韓国大統領選関連の行事取材で地方都市を訪れたときのことだ。行事は午後7時に終わり、ソウル到着は夜遅くになる。帰りのバスで、主催者側が軽食として用意してくれたのは、ハンバーガーとポテトだった。

車内には油の臭いがこもるし、パソコンで記事を書きながら食べるのにも向いていない。カロリーを気にする人も当然いるだろう。日本で同じような状況なら、なかなか考えづらい「おもてなし」といえる。

しかし、ここで冷めたコンビニおにぎりなどを配るというのは、冷淡な印象を与えることになる、というのが韓国人の感覚だ。「相手を喜ばせたい自分の気持ちを表現する」ことを重視する韓国人と、自分の気持ちより「相手の負担にならない」ことを優先させる日本人。国民性の違いを最も強く感じる瞬間の一つでもある。

ソウルに留学していた学生時代、韓国人男性の友人が日本人留学生に恋をして、花束を手に何度も彼女の自宅におしかけたことがあった。「10回オノを入れて倒れない木はない」という韓国のことわざに従った熱烈なアタックが、成就しなかったのはいうまでもない。

しばらく会っていない彼は元気だろうかと思いながらハンバーガーをおいしくいただき、汚れた手を拭って記事出稿の作業に戻った。(時吉達也)