朝晴れエッセー

プラットホーム上の出会い・10月13日

ある日の仕事帰りのことです。

駅で乗り換え待ちをしていると、反対側のホームに到着した電車から、白杖を持った男性が降りてきました。

少し気になり見ていると、どうも動きがおぼつきません。白杖に慣れていないのか、この駅に慣れていないのか…。

気付けば私以外にも彼を気にしている人がちらほら。しかし声をかけそうな人は見当たりません。ここは通過も多い駅、何かあってからでは遅いと思い、Uターンし彼のいる方へ向かいました。

もともと積極的でも社交的でもない私は内心ドキドキ。驚かせてしまうから肩たたいたりはダメだよね? 頼りない己の記憶を頼りに「こんばんは」と正面から話しかけました。

聞くと、彼の目的地は次の駅。到着したと思ったら駅の勝手が違い戸惑っていたようです。私は次の駅の改札まで見送り、彼と別れました。

再び1人になると、少しの達成感といくつかの反省点を感じました。

声のかけ方は合っていたか? もっと早く声をかけたらよかった。次があるのなら、今度はもっと早く、スマートに声かけができる自分になっていたいです。

彼に声をかけてから別れるまで、時間にすれば20分足らず。短時間のやり取りでしたが、人同士の接触を控えがちな昨今の中での非日常な出会いに心が元気になりました。

次会えたらもう少しお話できればいいな、でも駅の降り間違いには気をつけてください、名も知らぬ優しげなおじ様。

村尾友香 24 大阪府八尾市