破綻した医療法人に不明瞭融資 背後に「影の市長」か

市関係者によると、男性は5年の市立総合医療センター(都島区)の開設にあたり、経営が圧迫されるとして、難色を示す周辺医院を「自分が納得させた」と言い回っていたという。

そのため「市は男性に貸しがあった」(市関係者)とされる一方、「無理難題を押し付けるやっかいな存在」(別の市関係者)でもあり、何かを忖度(そんたく)した当時のごく限られた市幹部が独断で融資を決めたとの見方がある。とはいえ、20年以上前の事案で詳しい経緯は判然としないのが実情だ。

友愛会の経営破綻をめぐっては、同法人が26~29年に入院基本料や回復期リハビリテーション病棟入院科の施設基準を満たさず、虚偽の届け出で診療報酬を請求した疑いが浮上。法人側は債権者に対し、所管する近畿厚生局が不正と判断すれば、多額の返済債務が生じる恐れがあり、民事再生法を適用した直接的な原因になったと説明している。

今年9月の市議会委員会でも友愛会について取り上げられ、大阪維新の会所属の市議は「大阪市民の大切な大切な税金であり、市の債権を保全するため、あらゆる策を講じるべきだ」と指摘した。

地方自治体の監査と内部統制に詳しい日本大の石川恵子教授は友愛会をめぐる問題について、「平成9年当時に組織内で牽制(けんせい)機能が働き、強力なガバナンスが効いていれば、融資先のチェックがしっかりできたはずだ。市民らが改めて監査請求を行ったとしても経過が全て明らかになる可能性は低く、不透明な融資だったと言わざるを得ない」としている。

過去にも同和対策事業でずさんな対応

大阪市によるずさんな税投入が指摘されたことは過去にもあった。同和対策事業と関係が深く、平成17年に経営破綻した旧芦原病院(同市浪速区、事業譲渡)に対する多額の支援をめぐり、市は138億円を焦げ付かせた。

芦原病院は昭和32年に芦原診療所として開設。45年には、被差別部落の医療改善を担う同和地区医療センターに位置付けられた。市は43年以降、破綻に至るまで補助金と貸付金計約320億円の支援を実施した。

平成14~16年度に市が備品、工事補助金として支出した補助金4億8900万円については、実態と異なる申請書や報告書を市側が捏造(ねつぞう)し、病院側が運転資金など別用途に流用した疑いも発覚。市民からすれば納得のし難い厚遇ぶりが明らかになった。