「170円突破の可能性」ガソリン当面値上がりか - 産経ニュース

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「170円突破の可能性」ガソリン当面値上がりか

高騰し続けるガソリンなどの価格を示す、ガソリンスタンドのボード=13日午後、東京都世田谷区のシンエネ八幡山(鴨志田拓海撮影)
高騰し続けるガソリンなどの価格を示す、ガソリンスタンドのボード=13日午後、東京都世田谷区のシンエネ八幡山(鴨志田拓海撮影)

レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が約7年ぶりの高値圏に突入した。ガソリンの原料となる原油の価格が高騰を続けているためだ。ガソリン価格は当面、値上がり傾向が続くとの見方が多く、車を使う家計や物流業者などの負担が膨らみかねない。

「これ以上、値上がりしてほしくない。やっと(新型コロナウイルスの)緊急事態宣言が解除されて経済が正常化していくのに、足かせになってしまう…」

東京都世田谷区にあるセルフ式給油所の所長、佐藤大さん(50)はこう話す。13日の同店での店頭でのレギュラーガソリンの通常価格は、1リットル当たり159円。同店のある環八通り沿いは給油所間の競合が激しく、全国平均より安価だが、それでも前年同時期の通常価格と比べて30円程度値上がりしているという。

ドライバーも気をもむ。同店で自家用車に給油していた近所の男性(49)は「ガソリン価格が高いと遠出をしにくくなる。最近は満タンにせず、決まった金額の分を給油するようにしている」とぼやいた。

ガソリン高の主因は原油高だ。ニューヨーク原油先物相場は今週、米国産標準油種(WTI)が一時1バレル=82ドル台と約7年ぶりの高値を付け、年初から約7割も上昇。コロナ禍からの経済活動の再開で世界的にエネルギー需要の拡大が見込まれる半面、原油の供給を担う主要産油国は今月4日の閣僚級会合で11月の追加増産を見送り、需給の逼迫(ひっぱく)が強く懸念されている。

暖房用の燃料需要が膨らむ冬場を控え、欧州では天然ガスの価格が高騰しており、代替の燃料として原油からつくる石油製品の需要が増えるとの観測も原油価格高騰の一因だ。さらに円安の進行も、原油の輸入コストの増加につながる。

原油価格が上昇すると、石油元売り会社がガソリンなど石油製品の卸価格を引き上げ、時間差を伴って小売価格にも転嫁される。

今後のガソリン価格について、ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは「まだ上がりやすいとみている。1リットル当たり170円を突破する可能性も視野に入っている」とみる。

原油高や円安を反映して企業間で取引する製品の価格も上昇し、日銀が今月12日発表した9月の国内企業物価指数は13年ぶりの高い伸びだった。上野氏は「いまは企業部門の中で(コスト増を)ほぼ吸収しているが、企業収益はその分圧迫される。耐えられなくなれば価格に転嫁してくる恐れが出てくる」と指摘する。(森田晶宏)