虐待情報入手も市は面談せず 大阪・摂津 3歳児殺害 - 産経ニュース

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虐待情報入手も市は面談せず 大阪・摂津 3歳児殺害

大阪府警本部=大阪市中央区
大阪府警本部=大阪市中央区

大阪府摂津市のマンションで8月、新村桜利斗(にいむら・おりと)ちゃん=当時(3)=が死亡した事件で、あざやこぶといった桜利斗ちゃんへの身体的な虐待情報を市側が6月までに少なくとも5回入手しながら、本人とは一度も個別に面談しなかったことが13日、市への取材で分かった。市は「(桜利斗ちゃんに)発達の遅れがあったため」としているが、児童虐待が疑われる場合は障害の有無に関係なく、保護者とは別に面談するよう求めた国のガイドラインから逸脱した対応だった。

大阪府は有識者の検証部会を設け、市の対応に問題があったとみて調べている。大阪地検は13日、桜利斗ちゃんに熱湯をかけて殺害したとして、殺人罪で母親の交際相手、松原拓海(たくみ)容疑者(24)を起訴した。

市などによると、昨年1月~今年6月、桜利斗ちゃんの通う保育園や母親、知人などから少なくとも5回、あざやこぶがあるとの情報が市に寄せられた。

4月にこぶが見つかったとの保育園の報告に続き、5月6日には母親が「交際相手が子供をたたいた」と相談。市側は12日に松原被告らと面談したが、桜利斗ちゃんに目立った傷が確認されず、市は児相と21日に開いた会議で一時保護などの対応を求めなかった。保育園は6月15日、新たなあざの情報を報告したが、市は母親や松原被告への聞き取りをせず、桜利斗ちゃんの様子も直接確認しなかった。

市は事件までに計91回、母子と面談しながら、桜利斗ちゃんとは個別に面談していなかった。市幹部は取材に「発達の遅れがあり、コミュニケーションが難しいと判断した」と釈明。ただ、母親の知人らによると、桜利斗ちゃんは松原被告を「たっくん、いや」と拒んだりしたという。

児童虐待に関する厚生労働省のガイドラインでは、保護者と離して面談することを原則としている。発達の遅れなどがある子供は質問で誘導される恐れがあり、聞き方にも留意するよう求めている。元児童心理司の山脇由貴子氏(52)は「具体的な証言は難しくとも、『怖かった』と話したり、質問自体を嫌がったりするなどの反応は見られたはずだ」と指摘している。