阪神の逆転Vへ警戒 大阪・兵庫府県警 ファン騒動に備え - 産経ニュース

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阪神の逆転Vへ警戒 大阪・兵庫府県警 ファン騒動に備え

阪神タイガースのセ・リーグ優勝を祝い、道頓堀界隈に集まったファンら=平成17年9月29日、大阪市中央区(本社ヘリから)
阪神タイガースのセ・リーグ優勝を祝い、道頓堀界隈に集まったファンら=平成17年9月29日、大阪市中央区(本社ヘリから)

プロ野球セ・リーグは、ヤクルトが優勝へのマジックを9とするなか、阪神が16年ぶりのリーグ優勝にむけ、2ゲーム差の2位で食らいついている。両チームの直接対決は2試合を残すのみで注目も集まる一方、これまで優勝時などに大阪・ミナミの道頓堀川にダイブするなど、阪神ファンの暴走が問題視されてきた。〝奇跡の逆転〟に備え、本拠地・甲子園球場(兵庫県西宮市)を管轄する兵庫県警は警備連絡室を設置。大阪府警も警備計画をまとめつつペナントの行方を注視している。

10月上旬、甲子園球場近くのグッズショップでは、阪神戦の開催日でないにもかかわらず阪神グッズを買い求めるファンの姿があった。50年来のファンという兵庫県西宮市の会社員、浜田実さん(71)は「厳しい戦いが続いているが、あとは奇跡を願うだけ」と話すなど、優勝を待ち望むファンは多い。

一方で、ペナントレースの行方に気をもんでいるのが警察関係者だ。過去には優勝時の大騒ぎで死者も出ており、大阪府警では優勝が決まれば、要警戒地域の道頓堀川周辺やJR大阪駅などに最大1300人規模の人員を配置。ファンの騒動に備える。府警幹部は「本拠地での優勝や連勝続きでの日本シリーズ進出となれば当然人出も増え、配置人員も多くなる」と説明する。

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が9月末で解除されたことも懸念材料。府警幹部は「市民らの気も緩くなっており、人の流れが増えかねない」と指摘。別の関係者も「人が集まったら、群集心理で警察の指示すら聞かないかもしれない」と警戒する。

兵庫県警も、阪神の優勝や日本シリーズ進出の決定に向けた準備を進めるため、すでに雑踏警備を担う地域部や警備部などからなる警備連絡室を設置。近く球団と話し合いの場を持ち、警備計画などについて指導・助言をする予定だ。

県警によると、阪神が前回リーグ制覇した平成17年には、甲子園球場で行われた優勝決定試合にチケットを持たず、無理やり場内に入ったとする建造物侵入容疑で20代の男2人を逮捕。さらに、深夜まで球場周辺にいたファンの30代の男が球場職員を殴って逮捕された。

県警の担当者は「今後も試合結果などの動向を見極めながら適切な準備をしていきたい」と話す。地元球団には頑張ってもらいたいが万が一の事態も心配-。警備に関わる人たちも、ファンに劣らぬ熱い視線を残り試合に注ぐことになりそうだ。


度を越えた行動たびたび


勝利に酔いしれたり、敗戦の屈辱に打ちひしがれたりしたファンによる度を超えた行動はこれまでも問題となっている。

阪神が日本一となった昭和60年には、リーグ優勝決定後、大阪・ミナミの道頓堀川にケンタッキーフライドチキンの「カーネル・サンダース人形」が投げ込まれ、ファンも次々と川に飛び込む騒ぎとなった。阪神は以降、20年近くリーグ優勝から遠ざかり、「カーネル・サンダースののろい」ともささやかれた。

昭和60年、阪神タイガースのリーグ優勝時、ファンに道頓堀川に投げ込まれたケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース人形。24年後に発見された=平成21年3月10日、大阪市中央区
昭和60年、阪神タイガースのリーグ優勝時、ファンに道頓堀川に投げ込まれたケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース人形。24年後に発見された=平成21年3月10日、大阪市中央区

敗戦でファンが暴徒化することも。平成8年、チームの敗戦に怒ったプロ野球ダイエー(当時)のファンが、試合後に監督や選手らが乗ったバスを取り囲んだ。チームは当時最下位に低迷しており、罵声が浴びせられ、バスに生卵が投げつけられる惨事となった。

サッカーでもワールドカップの予選や本戦の試合後に、若者らが東京・渋谷のスクランブル交差点を占拠して騒ぎ、交通渋滞や騒音などのトラブルが続発。警察官が巧みな話術でサポーターらを誘導する「DJポリス」が話題となった。(木津悠介、中井芳野)

■音声ドキュメント「猛虎伝―昭和60年『奇跡』の軌跡」