国税OB側不正提案、税額示し了承求める「7万か3千万か」

大阪国税局OBの男性税理士(72)が代表を務める税理士法人が、顧問先に所得隠しを提案したとされる問題で、OB側が不正な会計処理を行った場合の税額を顧問先に事前に提示し、了承を求めていたことが12日、関係者への取材で分かった。OB側のやり方で7万円の課税で済ますか、正規の約3千万円を納税するか「どちらが良いか」と尋ねていたという。大阪国税不服審判所がこうした発言も事実と認定している。

関係者の話や関係資料などによると、顧問先は大阪府内の太陽光発電会社で、平成28年にグループ会社から、神奈川県内での太陽光発電パネル設置工事を約4億6千万円で受注した。

うち約1億3千万円は県の補助対象で、県から発電会社経由でグループ会社に送金されたが、グループ会社は送金額は工事代金の値引き分だとし、28年12月期の収益に計上しなかった。

これに対し、大阪国税局は補助金の収益計上を免れるための悪質な所得隠しと判断。グループ会社に31年4月、重加算税を含む約4千万円を追徴課税(更正処分)した。同社は処分を不服として大阪国税不服審判所に審査請求したが、昨年6月の裁決で棄却された。

裁決によると、審判所は一連の値引き処理が税務顧問だったOB税理士側の提案だったと認定した。

確定申告前の29年2月、グループ会社側は、値引き処理後の工事金額が補助金申請の際に県に示した額よりも安くなるため、OB側の担当者に「補助金詐欺にならないか」と処理の違法性について確認。担当者は「税務署用の仮の書類なので大丈夫」と返答し、さらに申告期限の前日には「(納税額が)7万円か3千万円のどちらが良いか」とも伝えていたという。

大阪国税局OBの男性税理士は取材に対し、不正への関与を否定している。