太平洋北部、米アラスカ州アリューシャン列島の74キロ沖合に中国海軍の艦艇4隻が現れたのは8月末のことだった。同海域で中国軍艦が確認されたのは2015年以来6年ぶり。日本が無視できないのは、中国軍艦が今回の遠征にあたってこれ見よがしに日本の海峡を通過したことだ。日本列島周辺を外洋への〝出入り口〟にする意図が透ける。
「特定海域」利用し外洋進出
艦隊を率いたのはアジア最大級の055型ミサイル駆逐艦「南昌」だ。8月22日、「中国版イージス」と呼ばれる052D型ミサイル駆逐艦「貴陽」や補給艦とともに対馬海峡を北進して日本海入り。そこに情報収集艦が加わり、同24日には稚内沖の宗谷海峡を通過してオホーツク海に出た。