浪速風

ホテル「実りの秋」なるか

奈良公園付近の土産物店が並ぶ通りを歩く人たち=9月20日午後、奈良市(沢野貴信撮影)
奈良公園付近の土産物店が並ぶ通りを歩く人たち=9月20日午後、奈良市(沢野貴信撮影)

「ようやくです」と安(あん)堵(ど)の表情をみせるのは、奈良市内の観光ホテルの支配人。開業から1年足らず。コロナ禍のため本領を発揮できずにいたが、このところ予約が少しずつ増えているという。秋は観光のハイシーズンだ。「以前は道を歩くと肩が触れ合うほどにぎわった場所ですから」と期待は高まる

▼ただ、気がかりもある。観光復活に腕を撫(ぶ)すホテル各社が人材を奪い合うことになりそうで「給料を上げて募集しないと確保できないかもしれません」。人手不足でサービスの質が落ちれば、ようやく訪れる商機を逃しかねない

▼むちゃなサービスを求められ奔走するホテルマン―というのはテレビや映画のお話で、実際にはそんな面倒な宿泊客はまずいないそうだ。しかし、感染拡大のリバウンドへの警戒を怠らず、心置きなく過ごせる空間と時間を演出するのは、なかなかの難題ではなかろうか。おもてなしの国のホテルは、一段と洗練されるのだろう。