1945年まで50年にわたって日本統治下にあった台湾では、日本語の影響を受けた言葉が、いまなお生活に息づいている。日本語の意味でそのまま使われている言葉や微妙にニュアンスが変わった言葉など、さまざまだ。若い台湾人は日本語由来とは知らず、地元の言葉だと信じて使う例も多いようだ。戦前生まれの台湾人を中心に、台北市内で日本語の勉強会を続けている「友愛会」の張文芳代表(昭和4年生まれ)が作成した資料「台湾語化した日本語」をひもといた。
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かつて台北支局長を務めていた時期、テレビで立法院(国会に相当)の中継を見ていて思わず吹き出した。野党のある女性議員が壇上で拳を振り上げて、「内政部(内務省)はアタマコンクリーではないか!」と、大まじめで当局者を批判したからだ。