イラク総選挙、サドル師派が最大勢力維持 政治停滞変わらず - 産経ニュース

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イラク総選挙、サドル師派が最大勢力維持 政治停滞変わらず

総選挙での勝利を祝うサドル師の支持者=11日、イラク・バグダッド(AP)
総選挙での勝利を祝うサドル師の支持者=11日、イラク・バグダッド(AP)

イラクで10日に行われた国会(定数329)総選挙の開票作業が進み、ロイター通信は11日、選管当局者らの話として、イスラム教シーア派の有力指導者サドル師の政治組織が70議席以上を獲得して最大勢力を維持すると見通しを伝えた。近く発表される開票結果を受け、次期政権発足に向けた連立協議が本格化する。

暫定投票率は41%とイラク戦争(2003年)以降では最低となり、汚職の拡大などに対する国民の不信感が示された。既存政党が主体の構図は変わらず、改革の停滞で今後も不満が高まることは確実だ。

サドル師はイラクへの浸透を深める隣国イランなど外国の影響力排除を主張し、駐留米軍の撤収を求めている。11日には国営テレビで勝利宣言し、「国内問題に干渉しないすべての国の大使館を歓迎する」と述べた。首都バグダッドでは同日夜、支持者らが街頭に繰り出して勝利を祝った。

連立協議はサドル師派を軸に進むとみられるが、合意までに数カ月かかるとの見方もある。同派は18年の前回選で54議席を獲得、最大勢力となっていた。

ロイター通信によると、スンニ派のハルブシ国会議長率いる政党連合が票を伸ばし、シーア派で親イランのマリキ元首相が率いる「法治国家連合」と37~38議席で第2勢力を争う。少数民族クルド人勢力も議席を維持する見込み。

イラクでは高い失業率や劣悪な行政サービスへの不満から19年に大規模な反政府デモが起き、治安部隊との衝突で600人近くが死亡した。国民の暮らしは向上せず、デモ当時と変わらない状況が続いている。(カイロ 佐藤貴生)