共闘批判vs政党色隠し 衆院埼玉12区、与野党一騎打ち - 産経ニュース

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共闘批判vs政党色隠し 衆院埼玉12区、与野党一騎打ち

19日公示、31日投開票の次期衆院選では、主要野党の候補者一本化により与野党の「1対1」の構図が見込まれる選挙区が多い。埼玉12区では、自民党現職の野中厚氏(44)に、前回選で492票差で競り負け比例復活に甘んじた立憲民主党現職の森田俊和氏(47)が挑む。選挙区内の埼玉県熊谷市では同じ時期に市長選(24日告示、31日投開票)があり、両氏がそれぞれ支援する新人同士の一騎打ちとなる見通しだ。「代理戦争」も絡み、因縁の対決は熱を帯びている。

「『自公』対『立憲民主党・共産党』の構図であることをきちんと訴えたい」

野中氏は、森田氏との一騎打ちに臨む構えをこう説明する。安全保障政策などで溝を抱える立憲民主、共産両党が、さまざまな不一致を棚上げにしたまま政権選択選挙で共闘することの矛盾を突く、という意味だ。

「森田氏は保守票を持っている。(保守系の有権者に)連携(の矛盾)を言っていかなきゃならない」

もっとも、野中氏の姿勢は焦りの裏返しでもある。

平成29年の前回衆院選は野中、森田両氏と共産党候補の三つどもえとなり、野中氏は8万6499票、森田氏は8万6007票、共産党候補は1万9878票を獲得した。森田氏と共産党候補の得票を単純に合算すれば、野中氏を約1万9000票上回る計算だ。

しかも、前回選で森田氏が公認を得た旧希望の党は厳しい逆風に見舞われ、その中でも野中氏に僅差まで詰め寄った。一騎打ちの構図が濃厚な次期衆院選を、野中氏が「厳しい」と評するのも無理はない。

対する森田氏は、野中氏による野党共闘批判を想定し「共産党との共闘を前面に出すことはない。連合など支持団体の考えと沿わない部分がある」と指摘する。

森田氏の戦術には、共産党のみならず、所属政党である立憲民主党との距離感もにじむ。

選挙区内に貼られた森田氏の「2連ポスター」に登場しているのは、立憲民主党の枝野幸男代表ではなく無所属の上田清司参院議員(前知事)だ。公示後に枝野氏に来援を求める予定もないという。

「保守層を取り込まなければ選挙区は勝負にならない」と森田氏。明言こそ避けたものの、左派色を強める立憲民主党の公認を過度に打ち出すことは避けたいという本音が透ける。

一方、熊谷市長選は、元県議の小林哲也氏(62)=自民、公明推薦=と元市議の閑野高広氏(46)の無所属新人2氏の対決となる見通しだ。

小林氏は過去に野中氏の選対本部長を務めた経験を持ち、閑野氏は市議時代から森田氏と関係が深い。

小林氏は「市長選も『自公』対『立憲民主党・共産党』という色がついた」。閑野氏は、政党色を排し「私は市民党であり民衆党だ」―。2人の立ち位置は、衆院選での野中、森田両氏のそれと重なって映る。(兼松康)