【子育てはデコボコ道】発達障害の息子 今では社会人です - 産経ニュース

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子育てはデコボコ道

発達障害の息子 今では社会人です

発達障害のある子って話が通じない宇宙人? 変わり者だから一緒にいてツライな…」。なんて思いながら、わが子を育てていました。でも今は、「障害っていうけど、アレはね、能力なんだよーーー!!」と叫びたい!

はじめまして。漫画家のかなしろにゃんこ。です。23歳の息子、リュウ太は、小学4年のときに発達障害の診断を受けました。重度のADHD(注意欠陥・多動性障害)で、ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性も併せ持ちます。

赤ん坊のときから、それはもう大変でした。抱き上げると顔を真っ赤にして反り返り、腕から落ちそうになっていました。発達障害のある子供の特徴ですね。後から思えば、抱っこがキライなわけではなくて、姿勢が固定されて動けないことに、強いストレスを感じていたのだと思うのです。

幼児期になると、興味のあるものを見つけては走りだし、段差で転んだり何かに体をぶつけたり。落ち着きがなくてとにかく目が離せません。好きなことになると、今度は鬼のような集中力を発揮して、どんなに声をかけても私に注目してくれません。わが子と意思の疎通ができていないように感じることが、何よりツラかったです。NHK「おかあさんといっしょ」で歌のお姉さんたちの言うことを聞いている子供たちを見て、いったい事前にどれだけ練習したのだろうと本気で思っていました。

小学生になってからは、頻繁に忘れ物をしたり、授業中に教室から脱走したり。人の気持ちを理解できず、自分の気持ちもうまく伝えられずに同級生とよくトラブルを起こしました。担任の先生から何度呼び出され、私もどれだけ息子を叱ったことか…。

かなしろにゃんこ。著「発達障害で問題児 でも働けるのは理由がある!」(講談社)より
かなしろにゃんこ。著「発達障害で問題児 でも働けるのは理由がある!」(講談社)より

そんな息子も、今では車の整備士として真面目に働いています。中学を卒業後、本人の強い希望で専修学校に通い、国家資格を取得しました。障害特性がなくなったわけではありませんが、本人が学校生活やアルバイトを通して得た気づきや努力、生活の工夫で、健常者と同じように働けるまでになりました。

大人になった息子に子供の頃のことを尋ねてみると、周囲と感覚が異なるために生きづらさを感じていたようです。でもその感性の豊かさや集中力の深さには、「障害っていうより能力では?」と驚くことも。そんな息子の成長のお話を、本人の主張も交えつつお届けします。

著者自画像
著者自画像

かなしろにゃんこ。 千葉県生まれ、漫画家、イラストレーター。少女漫画誌「なかよし」(講談社)でデビュー。著書に「漫画家ママのうちの子はADHD」「発達障害 僕にはイラつく理由がある!」(同)など、発達障害のある息子との幼少期から青年期までの日々を漫画にしたシリーズや、障害者支援の現場を描いた「障害のある人の支援の現場探訪記」(学研プラス)などがある。

発達障害を持つ息子を育てた漫画家、かなしろにゃんこ。さんのコラムを掲載します。次回は10月26日掲載予定。


発達障害って

ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)などの総称で、生まれつきの脳機能の障害が原因とされる。

障害特性として、ASDには物事へのこだわりが強い▽人の気持ちを理解しにくい▽感覚過敏-など、ADHDには落とし物・忘れ物が多い▽じっとしていられない-などがある。乳幼児期から抱くとのけぞったり、ささいなことでパニックを起こしたりするほか、幼稚園や学校などのコミュニティーになじめず、周囲とトラブルを起こしやすい。

保護者は子育てに思い悩んで自分を責め、子供は周囲から繰り返される叱責で自尊感情を損なうことも多い。そのため、本人は早期に療育(専門的な教育)を受け、保護者は「ペアレント・トレーニング」によって子供への接し方を学び、親子で自己肯定感を高めることが大切とされる。(藤井沙織)

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