北、兵器展覧会にICBM 正恩氏は米批判「信じる根拠なし」

国防発展展覧会を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(中央)=11日、平壌(朝鮮中央通信=共同)
国防発展展覧会を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(中央)=11日、平壌(朝鮮中央通信=共同)

北朝鮮の平壌で11日、新型兵器などを展示する「国防発展展覧会・自衛2021」が開幕し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が演説で「朝鮮半島の不安定な情勢下で軍事力を不断に高めることは革命の時代的要求で責務だ」と強調し、軍備増強を進める方針を示した。北朝鮮メディアが12日に報じた。

同展覧会の開催が伝えられるのは初めて。北朝鮮メディアは、北朝鮮がここ5年間に開発した兵器が展示されたとし、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や極超音速ミサイルとみられる兵器が並んだ写真を公開した。

金氏は、バイデン米政権が最近、「敵対的でないという信号を頻繁に発信している」と指摘しつつ、「敵対的でないと信じられる行動的根拠は一つもない」と批判した。対話の前提として米韓合同軍事演習や米戦略兵器の韓国展開の中止を意味する「敵視政策」の撤回を改めて迫った形だ。

一方で、金氏は「この地で同族同士で武装兵器を使うむごい歴史は二度と繰り返してはならない」と言及。「われわれの主敵は戦争そのものであり、南朝鮮(韓国)や米国、特定の国や勢力ではない」とも強調した。北朝鮮が「主権国家の自衛的権利」だと主張するミサイル発射など新兵器実験を正当化する狙いとみられる。(ソウル 桜井紀雄)

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