米、「支援」「承認」てこにタリバン穏健化迫る G20 - 産経ニュース

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米、「支援」「承認」てこにタリバン穏健化迫る G20

1日、ワシントンの米連邦議会で記者団の質問に答えるバイデン大統領(AP)
1日、ワシントンの米連邦議会で記者団の質問に答えるバイデン大統領(AP)

【ワシントン=大内清】アフガニスタンから駐留米軍を完全撤収させたバイデン米政権は、国際的な対アフガン支援をリードする責任を負う半面、イスラム原理主義勢力タリバンが樹立した暫定政府の正式承認については慎重な姿勢を崩していない。「支援」と「承認」は、対タリバンの重要な交渉カードであるだけに、12日のオンラインによる20カ国・地域(G20)首脳会議でも、他国に共同歩調を促しつつタリバンに人権などの価値尊重を迫るとみられる。

タリバンによるアフガン掌握以前、同国政府予算の7~8割は、米国をはじめとする西側各国からの支援でまかなわれていた。一般的に他国からの支援が国内総生産(GDP)の10%を占めると援助依存度が高いとみなされるが、アフガンはその割合が40%を超す。米国内にあるアフガン中央銀行の資産約95億ドル(約1兆700億円)は、8月のアフガン政府崩壊を受けて凍結されたままだ。

こうしたなか、アフガン政府の後ろ盾で最大のドナー国だった米国には、アフガンの人道危機に対処する責任があると同時に、支援がタリバンの強権支配強化に利用される事態は避けたいとのジレンマがある。

バイデン政権は今回の首脳会議に先立ち、タリバンを介さずに国連機関や非政府組織(NGO)を通じたアフガン支援を行う考えを表明してきた。資産凍結解除の前提となる政府承認の可否は、米欧諸国が重視する「女性の人権擁護への取り組みなどをみて判断する」として、タリバンに影響力を持つカタールなどとも足並みをそろえながら圧力をかけていく構えだ。

一方、ロシアは20日にもモスクワで開かれる中国やパキスタン、インドなどとの協議にタリバン代表団を招くと表明。米国は、中露がいち早く政府承認に踏み切る事態を懸念している。