百貨店、食品事業に活路 近鉄百は中間最終赤字

近鉄百貨店が12日発表した令和3年8月中間連結決算は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、最終損益が8億円の赤字(前年同期は49億円の赤字)と、中間決算として2年連続の赤字となった。頼みの収益源として注力するのが巣ごもり需要で堅調な食品販売。ほかの大手でも阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが関西スーパーマーケットの子会社化方針を発表するなど、食品スーパーを統合し収益力を強める動きが出てきた。

近鉄百貨店の3年8月中間連結決算は、本業でもうけられているかを示す営業損益も14億円の赤字(前年同期は21億円の赤字)で2年連続の赤字だった。

「コロナ禍で堅調な高額品や食料品の施策が奏功した」(秋田拓士社長)ことで足元は回復傾向にあり、4年2月期通期は12億円の最終黒字を予想。ただ、従来予想の17億円からは下方修正した。

新型コロナによる臨時休業などで百貨店は苦しい。大丸や松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングが12日発表した3年8月中間連結決算も、2年連続の最終赤字だった。

各社が目をつけるのが食品販売事業だ。H2Oリテイリングは関西スーパーを傘下スーパーと経営統合する計画を発表。首都圏地盤のスーパー、オーケー(横浜市)との間で争奪戦となっている。

傘下にスーパーを持たない近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店(大阪市)の食品売り場を強化してきた。衣料品売り場を来春から3割減らす一方、今年4月にはタワー館地下2階に高級スーパー「成城石井」を、フランチャイズ契約を結び同百貨店が運営する形で開業。今月6日には地下食品売り場をリニューアルし、関西の新鮮野菜が並ぶコーナーなどを新設した。

さらに秋田社長は12日の会見で、段階的に食品売り場を強化し、6年度までに全館改装を完了させる方針を表明。「中長期視点で事業の構造改革を進める。フランチャイズやEC(電子商取引)事業も強力に推し進め収益力向上に邁進(まいしん)したい」と述べた。(井上浩平)