2024年に大統領選を控えるロシアで、共産党が内政の行方を占う鍵を握りつつある。先月行われた下院選ではプーチン政権の与党「統一ロシア」の「圧勝」が伝えられたが、実は政権批判票を集める形で共産党が躍進した。これまで「体制内野党」として粛々と翼賛体制の一翼を担ってきた共産党が、反プーチン体制にかじを切る可能性も指摘されている。
下院選(定数450)では統一ロシアが324議席、共産党が57議席を獲得し、残りも政権に従順な3政党が占めた。共産党は2016年の前回選から15議席を上積みする結果だったが、実際にはそれ以上に健闘したとみられている。
下院選は比例代表と小選挙区で225議席ずつを争う仕組み。比例代表の得票率は統一ロシアが約50%、共産党が約19%だった。得票率以上に両党の議席差が開いたのは、統一ロシアが小選挙区で圧勝したためだ。共産党は、多くの小選挙区について政権側が電子投票の集計結果を不正に操作したと主張している。