世界銀行は11日、2020年末時点で低・中所得国の中国に対する債務総額が約1700億ドル(約19兆3千億円)に増加したと発表した。9年前の11年と比べ3倍超に拡大。中国をめぐっては途上国を借金漬けにした「債務のわな」によって支配を強めているとされ、批判が高まる可能性もある。
同日公表した国際債務統計で明らかにした。債務の多くは大規模なインフラ投資や採鉱産業に関連したものだった。サハラ砂漠以南のアフリカや南アジアで債務総額の増加が目立ち、世銀は「低・中所得国にとって中国は最大の貸し手になった」と指摘した。
また、新型コロナウイルス禍に伴う財政出動がかさみ、20年の低所得国の債務負担は前年比12%増の8600億ドル。過去最高額に膨張した。(共同)