中国9月新車販売が2割減 半導体不足など響き変調

【北京=三塚聖平】中国自動車工業協会が12日発表した9月の新車販売台数は、前年同月比19・6%減の206万7千台だった。マイナスは5カ月連続。世界的な半導体不足などが響き、減少幅は8月(17・8%)から拡大した。世界に先駆けて新型コロナウイルス禍からの回復が進んできた中国市場の変調が鮮明になっている。

内訳では、乗用車が16・5%減の175万1千台だった。商用車は33・6%減。一方で、政府が普及を後押ししている電気自動車(EV)などの「新エネルギー車」は2・5倍の35万7千台と大きく伸びた。

アジアでの感染拡大の影響を受け、中国の自動車産業は部品の調達難に苦しんでおり、販売にも打撃を与えている。中国各地で電力不足が深刻化し、停電や供給制限が起きていることも悪化要因となった。同協会は「半導体不足はいくらか改善したが、依然として生産需要を満たすことができていない」と指摘した。

12日に出そろった日系大手4社の中国市場における9月の新車販売も、全社が20~30%台のマイナスだった。好調が続いてきた日系メーカーの中国販売にもブレーキがかかっている。

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