松岡恭子の一筆両断

九州の文化で老舗ホテルを美術館に

1階ロビーはもちろん、2階の小会議室群、宴会場を借りて一時的にミュージアムに仕立てます。日によって展示物は変化しますが、九州各地から焼きもの、ガラス細工がやってくるほか、今年は織物と絵画、映画も加わります。昨年同様、太郎右衛門、今右衛門、柿右衛門、沈壽官という巨匠各氏に加え、新たに人間国宝の福島善三氏の作品が一堂に並びます。また、九州の北からは小倉織、南からは奄美大島の大島紬がソラリアプラザに登場します。小倉織を復元した築城則子氏の永久保存の帯と、大島紬美術館から送られてくる多彩な作品を無料でご覧いただけるのはこの社会実験ならではの贅沢さだと思います。宮崎出身で戦前の台湾で活躍した画家、塩月桃甫の作品と彼の人生を綴った映画もホテルで鑑賞できます。

九州でつくられるワイン紹介には、2つのワイナリーを増やしました。大分の安心院、宮崎の都農に加え、熊本の菊鹿ワイナリーと長崎の五島ワイナリーのワインを、ホテルのダイニングではもちろん、周辺のレストランやバーでも楽しんでいただけます。まちぐるみで九州が誇るべき伝統や文化を体験していこうという趣向です。

「場所」を「場」に変え、都心を単なる消費地ではなく文化を介して交流が生まれる地にする社会実験。地続き感とは「閉じない」ということでもあり、まちと繋(つな)がっているからこその挑戦をやってみたいと思います。14日から18日まで開催です。詳しくはOne Kyushu ミュージアムのホームページ(https://onekyushumuseum.com/)でご覧ください。

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