成長と分配、コロナ対策…衆院選へ与野党臨戦 - 産経ニュース

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成長と分配、コロナ対策…衆院選へ与野党臨戦

衆院本会議で代表質問にこたえる岸田文雄首相=11日午後、国会(矢島康弘撮影)
衆院本会議で代表質問にこたえる岸田文雄首相=11日午後、国会(矢島康弘撮影)

与野党は12日の衆院議院運営委員会理事会で、臨時国会閉会日の14日午後1時から衆院本会議を開く日程で合意した。冒頭で衆院が解散される見通し。12日は衆参両院本会議で岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問が行われ、首相の看板政策「新しい資本主義」や新型コロナウイルス対策、一時的な消費税率の引き下げ、「政治とカネ」などをめぐり、首相と野党が衆院選目前の攻防を繰り広げた。これらのテーマが19日公示、31日投開票の日程で行われる衆院選で主要な争点になりそうだ。

立憲民主党の福山哲郎幹事長は12日の参院本会議で、首相が金融所得への課税強化に関して軌道修正したことについて「ぶれ過ぎではないか」と追及。平成10年の参院選で、所得税の恒久減税をめぐり発言を二転三転させた橋本龍太郎首相(当時)の「ぶれ」が選挙結果に影響した例もあるだけに攻勢を強めているようだ。岸田首相は「優先順位が重要だ。賃上げに向けた税制の強化、下請け対策の強化など、まずやるべきことがある」と説明した。

共産党の志位和夫委員長は衆院本会議で「成長と分配の好循環というスローガンはアベノミクスの三番煎じだ」と批判。日本維新の会の馬場伸幸幹事長は「具体的な改革パッケージが見えない」と距離を置き、国民民主党の玉木雄一郎代表も「数値目標が見えない」と批判的な見方を示した。

経済政策に具体性がないと指摘された形の首相は「働く人への分配機能の強化などを通じ、成長の果実をしっかりと分配することで初めて、次の成長が実現する。アベノミクスも基礎とした新しい概念だ」と強調した。新設する「新しい資本主義実現会議」については「速やかに開催したい」と意欲を示したが、具体的なイメージを国民に持たせられるかが焦点となりそうだ。

野党4党は時限的なものも含め消費税率5%への減税に触れた。首相は「当面(税率を)いじることは考えていない」と否定した。

野党側は政府の新型コロナ対策に批判を強めており、今後の新型コロナ対策や行動緩和の方針に理解が得られるかも衆院選に影響するとみられる。首相は「医療提供体制は、病床と医療人材の確保など、近日中に全体像の骨格を指示する」と表明した。飲食、イベントといった行動制限緩和の内容や時期については「ワクチン接種証明の活用に関する技術実証などを踏まえ早急に検討し示す」とした。

主要野党は安倍晋三、菅義偉(すが・よしひで)両政権に続いて岸田政権も政治姿勢に問題があると衆院選でも訴える構えだ。福山氏は参院本会議で、自民党の甘利明幹事長について「政治とカネの疑惑が再燃している」と指摘し、国会での説明を求めた。志位氏は衆院本会議で森友学園問題や日本学術会議の会員候補の任命拒否を取り上げ「自分にとって都合の悪い声を無視する態度では、信頼と共感の政治をつくることはできない」と述べた。

衆院選では、強権的な中国への対応や憲法改正なども争点となりそうだ。