イラク戦後最低の投票率も イラク国会選 政治に失望感

イラク国会選で投票を行う男性=10日、バグダッド市街(佐藤貴生撮影)
イラク国会選で投票を行う男性=10日、バグダッド市街(佐藤貴生撮影)

【バグダッド=佐藤貴生】イラクで10日、国会(定数329)の総選挙が行われ、同日夕の投票締め切り後に開票作業が始まった。ロイター通信は選管当局者の話として、2003年のイラク戦争後の国会選としては最低の投票率となる可能性があると伝えた。

イラクでは19年、汚職の拡大や経済悪化への反感から大規模な反政府デモが起きたが、その後も機能不全が続く政治への失望感が示された形だ。イラク戦争後の国会選の最低投票率は前回18年の約45%。

これまでの開票では、隣国イランや米国などの影響力排除を唱えるイスラム教シーア派の有力指導者、サドル師が主導する政治組織や、イランと連携する民兵組織の元司令官が率いる政党連合の「征服連合」などのシーア派勢力が最多議席を争っているもよう。両者は前回選でも首位を競い合った。

19年の反政府デモを受け、政府は政党と無関係の独立候補が当選しやすくなる制度改正を行った上、予定より1年前倒しして今回の選挙を実施した。しかし、失業率の高止まりや劣悪な行政サービスに歯止めがかからず、国民の選挙への関心は低調だった。有権者は約2500万人。選挙では電子投票が導入された。

イラクでは03年、米軍などの軍事侵攻でフセイン独裁政権が崩壊。14~17年にはスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が支配地域を拡大するなど混乱が続いた。