横田早紀江さん「怒る気力もない」 立民・生方氏発言で

横田早紀江さん(手前)と拓也さん =2日午後4時41分、川崎市(代表撮影)
横田早紀江さん(手前)と拓也さん =2日午後4時41分、川崎市(代表撮影)

「怒る気力もない」。立憲民主党の生方幸夫(うぶかた・ゆきお)衆院議員(比例代表南関東ブロック)が、北朝鮮による日本人拉致被害者について「生きている人はいない」などと発言していたことが明らかになった11日、横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(85)は、落胆をあらわにした。

一連の発言は今年9月、千葉県松戸市内で行われた生方氏の国政報告会の場で確認された。報告会の様子を撮影した動画によると、拉致問題に対する見解を問われた生方氏が、「拉致問題は本当にあるのか。ないんじゃないか」と発言。途中、「なんでしたっけ。小さな女の子。高校生か中学生かで…」などと言いよどみ、参加者から「横田(めぐみ)さん」と指摘される場面もあった。

めぐみさんの名前や拉致の経緯を認識していなかったとみられる。

早紀江さんは「長い年月、皆が拉致被害者を心配して活動してきているのに、こんな日本人がいることに驚いた」と嘆息。「私たちは拉致被害者が生きていると信じている」と改めて再会への決意を語った。

報告会で生方氏は、めぐみさんを含め日本から連れ去られた拉致被害者は誰も生きていないとし、「生存者がいると思っている人はたぶん、自民党でも一人もいないと思う」などと持論を展開。産経新聞などが発言内容を報じた直後の今月11日午前、ツイッターを通じて発言を撤回し、謝罪した。インターネット上で公開されていた報告会の動画も、閲覧できなくなった。

田口八重子さん(66)=同(22)=の兄で、家族会代表の飯塚繁雄さん(83)は「謝って済む問題ではない」と声を荒らげる。「まるで拉致被害者が亡くなっていたほうがいいというような発言だった。日本の各党の議員も、一緒に戦っていこうという意識でやっているのに、ぶち壊した」。田口さんの長男、飯塚耕一郎さん(44)も「怒りを禁じ得ない。拉致被害者の命を侮辱、冒涜(ぼうとく)しているとしか思えない」と語気を強めた。