福岡23年「G7」誘致名乗り G20落選リベンジを

記者会見でG7サミットの誘致を表明した(左から)福岡市の高島宗一郎市長、福岡県の服部誠太郎知事、九経連の倉富純男会長
記者会見でG7サミットの誘致を表明した(左から)福岡市の高島宗一郎市長、福岡県の服部誠太郎知事、九経連の倉富純男会長

福岡市は11日、福岡県、九州経済連合会と協力して、2023年に日本で開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)の誘致を目指す方針を明らかにした。重要な国際会議の開催を通じて国際的な知名度を向上させ、企業集積やインバウンド(訪日外国人客)増加などにつなげたい考えだ。同市は19年の20カ国・地域(G20)首脳会議の誘致にも名乗りを上げたが、逃した経験がある。同市の高島宗一郎市長は「悔しい思いがある。リベンジしたい」と意気込む。

G7サミットは議長国が持ち回りで開き、日本では16年に三重県で開かれた。同市と県は既に外務省に誘致の意向を伝え、12月中に計画書案を提出する。これまでに名古屋市も誘致を検討する方針を表明している。

高島氏、福岡県の服部誠太郎知事、九経連の倉富純男会長が福岡市内でそろって記者会見した。高島氏は、市中心部で進む再開発事業「天神ビッグバン」などを例に挙げ「日本の中で最速で変わっている都市が福岡だ。福岡を通して日本の姿を見せたい」と語った。

服部氏は「福岡の可能性を世界に発信する大きなチャンスだ。企業誘致や人材育成にもつなげたい」と強調した。倉富氏は「九州全体の活性化にもつながる。官民一体となって万全の準備を整えていく」と述べた。

3本の矢で

19年のG20サミットの際には、同市単独で開催候補地に名乗りを上げたが、大阪府・大阪市に敗れ、G20財務相・中央銀行総裁会議の開催地に回った。今回は市、県、経済界の3者による協力態勢、特に市と県による連携は前回誘致と大きく異なる。前回は高島氏と当時の小川洋知事との間の溝などが要因となり、市と県で有効な協力関係が築けなかった。

高島氏は「今回は(市、県、九経連の)3本の矢がマイナスではなくプラスになるだろう」と話す。

一方で、サミット誘致には「政治的な部分が非常に大きい」(高島氏)のが実情だ。G20サミットの誘致合戦では、菅義偉官房長官(当時)と日本維新の会の松井一郎大阪府知事(同)との親密な関係が有利に働いたとの観測も流れた。

安倍晋三元首相や麻生太郎前副総理兼財務相ら当時の政権中枢と距離の近かった高島氏だが「岸田(文雄)政権に代わり、福岡にとって政治状況が特によくなったというわけではない」と分析する。県関係者は「仮に岸田氏の地元、広島が手を挙げれば強力なライバルとなる」とみる。

都市機能を更新

福岡市は再開発事業などにより、「ウィズコロナ」を見据えた感染症対策を施した高層ビルが完成するなど都市機能が急速に更新されている。G20サミット誘致で指摘された、各国要人が宿泊する高級ホテルの不足も、令和5年春には米高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」が開業予定で、弱点は克服されつつある。

高島氏は誘致に向け、こう力を込めた。

「簡単なことではないが、手を挙げなければ始まらない。市民、県民に挑戦する姿を見せていくことが大事だ」(小沢慶太)