韓国大統領選 与党本命候補 対日強硬発言に懸念の声も - 産経ニュース

メインコンテンツ

韓国大統領選 与党本命候補 対日強硬発言に懸念の声も

10日、ソウルで、与党「共に民主党」の大統領候補予備選の最終盤で演説する李在明・京畿道知事(AP)
10日、ソウルで、与党「共に民主党」の大統領候補予備選の最終盤で演説する李在明・京畿道知事(AP)

韓国の李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事は「共に民主党」予備選で序盤から優勢を保ったが、終盤に浮上した不正疑惑が逆風となり、今後の本選に不安を残す結果となった。支持率で野党候補を上回る「本命候補」の李在明氏は、選挙戦を通じて日本に対する強硬発言を連発。李在明氏が当選すれば両国関係がさらに悪化すると懸念する声も韓国国内で上がっている。

1週間で情勢一変

「国民は時にムチを与えてくれる」。李在明氏は10日、想定外の辛勝となった予備選結果をこう振り返った。

同党予備選は、党員を対象とした全国11地域の巡回投票と、予備選参加を申請した一般有権者らによる3回の投票を合計して争われた。全体の約7割を占めた一般投票で、李在明氏は今月3日の第2回集計で58%の得票を記録したのに対し、10日の第3回は28%に激減し李洛淵(ナギョン)元首相(62%)に初めて大敗した。両者の累計得票は決選投票にもつれ込む寸前まで縮まった。

わずか1週間で一般有権者の態度が一変したのは、京畿道・城南(ソンナム)市長時代の都市開発事業をめぐり、第3回投票の開始直前に市関係者が収賄などの容疑で逮捕され、李在明氏の不正関与も取り沙汰されたためだ。李在明氏は尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長ら保守系野党の有力候補を抑え、世論調査で支持率首位を維持するが、政治評論家の尹太坤(テゴン)氏は「本選の行方は政治の手を離れて疑惑捜査の進展次第といえ、予断を許さない」と指摘する。

「竹島通じ大陸進出」

10日の勝利演説で「日本を追い越す」と述べ、対抗意識を強調した李在明氏はこれまでにも日本に対する強硬発言を繰り返してきた。韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)の領有権を日本が主張することに対しては「日本の軍国主義勢力」が「大陸進出する際の足掛かりにするためではないか」との持論を展開。東京五輪ホームページ上の竹島表記が問題となった際も「参加ボイコットを検討すべきだ」と訴えた。

日韓間でいわゆる徴用工訴訟などの懸案を抱える中、李在明氏の対日姿勢を不安視する声は韓国側からも上がる。ある市民団体の幹部は「日本政府は文在寅(ムン・ジェイン)政権を相手にせず政権交代を待つ態度だが、李在明氏が大統領になればさらに解決が遠ざかる可能性がある」と憂慮する。(ソウル 時吉達也)