滑稽話の名手として知られた落語家で人間国宝の柳家小三治(やなぎや・こさんじ=本名・郡山剛蔵=こおりやま・たけぞう)さんが7日、心不全のため死去した。81歳。東京都出身。故人の遺志で葬儀は密葬で行った。お別れの会の予定はないという。
ラジオの素人寄席で注目され、高校卒業後、昭和34年に五代目柳家小さんに入門。44年、真打ち昇進とともに、十代目柳家小三治を襲名した。
しぐさや間がうまく、ひょうひょうとした語り口でおかしみにあふれた高座で高く評価された。得意演目は多く、「死神」「青菜」「千早ふる」「初天神」など。
56年に芸術選奨文部大臣新人賞、平成16年芸術選奨文部科学大臣賞。17年紫綬褒章、26年旭日小綬章受章。同年、人間国宝に選ばれた。22年から4年間、落語協会会長を務めた。