「3連勝は望外な結果」「より良い将棋へ精進」 就位式で藤井棋聖 - 産経ニュース

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「3連勝は望外な結果」「より良い将棋へ精進」 就位式で藤井棋聖

【産経代表2 「第92期ヒューリック杯棋聖戦」藤井聡太棋聖就位式】就位式後の会見で、賞杯を手に写真撮影に応じる藤井聡太棋聖=10日午前11時32分、東京都港区の「グランドニッコー東京 台場」(桐山弘太撮影)
【産経代表2 「第92期ヒューリック杯棋聖戦」藤井聡太棋聖就位式】就位式後の会見で、賞杯を手に写真撮影に応じる藤井聡太棋聖=10日午前11時32分、東京都港区の「グランドニッコー東京 台場」(桐山弘太撮影)

産経新聞社主催の将棋タイトル戦「第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」で、史上最年少でタイトル初防衛に成功した藤井聡太棋聖(19)=王位・叡王=の就位式が10日、東京都港区台場の「グランドニッコー東京 台場」で行われた。

就位式は新型コロナウイルス感染症対策のため、日本将棋連盟役員ら関係者のみで行われた。式には藤井棋聖の母、藤井裕子さんも出席した。

藤井棋聖は今期、棋聖返り咲きを目指した渡辺明三冠(37)=名人・棋王・王将=を3連勝で退けた。当時、棋聖と王位のタイトル2期を保持していた藤井棋聖は棋聖防衛でタイトル獲得通算3期となり、規定で九段に昇段した。10代の九段昇段は初。

就位式ではまず、主催者でもある同連盟の佐藤康光会長が挨拶に立った。

「藤井棋聖に渡辺三冠が挑戦するリターンマッチとなりました。第1局は千葉県木更津市での対局で、木更津市では38年ぶりのタイトル戦。相掛かりの最先端で、両者の研究の深さなど大きな注目が集まりました。そんな中、藤井さんは攻守のバランスを取って先勝しました。第2局は渡辺さんの勝ちパターンでしたが、それを覆しての勝利。第3局は両者が1分将棋の中、△7一飛車が絶妙手でした。フルマラソンに例えると、残り100メートルを10秒を切って走るようなものです。防衛戦にふさわしい内容を伴った素晴らしい3局でした。今後も体調に留意され、将棋界を引っ張っていってください」

藤井棋聖には佐藤会長から就位状が贈られた。

続いて、主催の産経新聞社、飯塚浩彦社長がマイクの前に立った。

「今回の棋聖戦は立場を変えての五番勝負。昨年に最年少で初タイトルを獲得した藤井棋聖に、タイトルを失った渡辺明三冠が挑むリターンマッチでした。大きな注目を集めました。藤井さんは棋聖初防衛、王位戦を防衛し、叡王戦も奪取しました。(王位戦、叡王戦は)いずれも豊島将之竜王を下してのタイトルで、世間からは『藤井1強時代』という声も聞こえます。

藤井さんは初防衛翌日の記者会見で、『初心』と揮毫(きごう)した色紙を披露しました。『結果に満足することなく、初心に戻って前を向いていきたい』と語られました。もっと強くなりたいという気持ちやひたむきな姿勢がひしひしと伝わってきました。

勝負メシも注目されます。第3局では藤井さんが注文した『富士山キーマカレー』や『水神餅』が大変な人気だそうです。お店からもうれしい悲鳴が上がっているようです。社会からも注目されるタイトル戦を主催でき、誇りに思っています。今後もさらなる記録更新やご活躍を期待しております。どうぞ、お体に気をつけられて、ますますご精進ください」

飯塚社長からは賞杯と賞金の目録が手渡された。

その後、棋聖戦を特別協賛しているヒューリックの西浦三郎会長が壇上に上がった。

「タイトル初防衛というすばらしい結果ですが、3局で終わってしまった。続く王位防衛、叡王獲得と、藤井さんを中心に将棋界が動いていると思います。将棋界のタイトルは8つありますが、多分、少しずつ増やしていくと思います。

藤井さんは頭が良いのはもちろんですが、新しい手をやる。新しいことを開拓することは素晴らしい。そして、精神力の強さ。この3つがあると、企業も成長します。8冠も十分に考えられます。

引き続き頑張っていただき、将棋界を引っ張っていってほしい。そして、良い棋譜を残していただきたい」

ヒューリックからは特別賞として、藤井棋聖がお世話になっている「白瀧呉服店」の仕立券(100万円相当)が贈られた。

続いて、同連盟非常勤理事の遠藤龍之介フジテレビ副会長が祝辞を述べた。

「これからたくさんタイトルを取り、何度も何度も『おめでとう』と言うと思っていましたが、こんなに早く言うことになるとは。

棋聖戦は内容が素晴らしく、文句のつけようがなかった。昨年は若手のトップグループの一人だったが、1年たって、将棋界の頂点に立っているともいえる。

昨日、棋聖戦第3局の棋譜を、渡辺さん側を持って指してみました。藤井さんを相手にすると、どんな気持ちになるだろう、と。知らない外国のまちを歩いているような感じでした。

藤井さんは妙手術の高い棋士だと思います。スター性の資質を持っています。野球でいうなら本塁打、サッカーではエースストライカー。秒読みの中で(妙手を)発見される。藤井さんの将棋は感動を与えると思います。さらに精進していただきたい」

藤井棋聖には花束と、フジサンケイグループ賞として、全国のグランビスタホテル&リゾートで使用できる「グランビスタ商品券」が贈呈された。

最後に藤井棋聖が謝辞に立った。

「本日、棋聖就位式を迎えられたことをうれしく思います。私にとって初めての防衛戦でしたが、そのことで力んでしまわないように、楽しく、挑戦者の気持ちで臨めれば、と思っていました。渡辺名人との五番勝負は、どれも際どい将棋で、3連勝は望外な結果だったと思います。特に第3局は、終盤がバランスを取るのが難しい局面が続き、印象に残っています。こうした経験を生かして、より良い将棋をお見せできるよう精進してまいります」

就位式は30分ほどで終了した。その後、同会場で記者会見が行われた。

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