夏のスキー場は生物の宝庫 峰の原で草原守る

花の名前が分かるようにプレートを立てた区域もある=9月30日、長野県須坂市の峰の原高原(原田成樹撮影)
花の名前が分かるようにプレートを立てた区域もある=9月30日、長野県須坂市の峰の原高原(原田成樹撮影)

田中さんらの研究では、しばらく森となっていた草原は、古くから草原であり続けた場所よりも、植物種数や希少種数が少ないことが分かっている。「古くから草原だった場所を手入れすることが、生物多様性の維持において特に重要だ」と話す。

明治時代には国土の3割ほどを草原が占めていたという調査もある。菅平では今でも約10%程度あるが、全国的には草原の比率は1~数%にまで減少。「せめて、1%をゼロにしないことがやれることだ」。チョウなどの昆虫や根に寄生する微生物まで含めた生物多様性を守ることは、創薬の〝種〟である遺伝資源を維持することにもつながるという。

作業の省力化も研究

福永さんによると、約90棟あったペンションは半減。都会のニュータウンと同じように高齢化も進む。「SDGsには持続可能な経済成長もある。忘れられない程度には注目されたいですね」と、草原維持が地元の復興に役立てばうれしいと話す。

田中さんも、ススキだけを選んで刈る現在の方法でなく、種が周囲からも飛んでくることを利用した、より手間のかからない草原維持の方法の開発にも挑戦中だ。

この山野草園は、峰の原高原スキー場の一部。同スキー場は運営業者の交代が続き、昨季から東京の会社が娯楽要素を高めた「リワイルド・ニンジャ・スノーハイランド」として立て直しを図っている。ブームの去ったスキー場は暗いトンネルの中にいるが、前方には明るい光も見えている。(原田成樹)