夏のスキー場は生物の宝庫 峰の原で草原守る(1/2ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

夏のスキー場は生物の宝庫 峰の原で草原守る

維持活動をしている草原で見学者に説明する福永一美さん(右)。中央は筑波大准教授の田中健太さん=9月30日、長野県須坂市の峰の原高原(原田成樹撮影)
維持活動をしている草原で見学者に説明する福永一美さん(右)。中央は筑波大准教授の田中健太さん=9月30日、長野県須坂市の峰の原高原(原田成樹撮影)

山肌を削り、環境を破壊しているかのように見えるスキー場だが、実は全国的に草原が減少する中で、草原に住む生物たちにとっては残されたオアシスだ。スキーやスノーボードをすることが、SDGs(持続可能な開発目標)の一つ「陸の豊かさも守ろう」につながると浸透すれば-。ピーク時から愛好者人口が3分の1程度に減少したスキーも今一度、見直されるかもしれない。

ゲレンデに山野草

9月末、長野県須坂市の峰の原高原こもれび広場近くの「山野草園」では、ウメバチソウ、エゾリンドウ、ワレモコウ、キキョウなどいろいろな花が咲いていた。ウメバチソウは、昭和55年に出版された「花の百名山」(田中澄江著)で地元の根子岳の花として紹介され、この地を代表する存在だ。

現地の保護活動をしているのが任意団体のMiNe(マイン)。代表でペンション経営者の福永一美さんは「夏のゲレンデで、(背が高く、繁殖力の強すぎる)ススキを刈り、外来種を抜くなどしている程度」というが、季節ごとに咲く花やチョウを見たり、撮影したりしに来る人も多いという。

峰の原高原は、昔から飼肥料や燃料を採取するために利用されていた草原で、昭和46年から長野県がスキー場やペンション村を開発。翌47年に両親と移住してきた福永さんによると「当時は木はほとんど生えていなかった」という。平成20年ごろから趣味で、草原の手入れをしてきた。

森になったことがない

一緒に活動している筑波大の菅平高原実験所の田中健太准教授によると「ここは、おそらく何千年も森になったことがない場所」で、たくさんの山野草が残っているという。峰の原高原や隣接する菅平は、明治時代までは一面の草原だったが、100年ほど前から飼肥料の需要減などで、部分的には森になった場所もあるという。