法人税最低15%国際合意 デジタル課税も OECD 100年ぶり改革

経済協力開発機構(OECD)の本部=パリ(AP)
経済協力開発機構(OECD)の本部=パリ(AP)

経済協力開発機構(OECD)は8日、国際的な法人税改革に関する交渉会合を開き、各国共通で導入する最低法人税率と巨大IT企業などの税逃れを防ぐデジタル課税について最終合意した。最低法人税率は15%とし、一部の国が導入している独自のデジタル課税は廃止する。2023年から実施する計画で、国際法人課税ルールの大幅な見直しは約100年ぶりとなる。

最低法人税率をめぐっては、7月の大枠合意で年間総収入が7億5千万ユーロ(約970億円)以上の多国籍企業を対象に「15%以上」の税率を課すことで一致。低い法人税率で多くの多国籍企業を誘致してきたアイルランド(税率12・5%)などに参加を促すため、今会合の事前協議で「以上」の文言を削除したことで、各国の足並みがそろった。

海外企業誘致のため「経済特区」で税率を軽減してきた中国などに配慮して、対象企業の利益から工場など資産の取得や人件費の5%を差し引いて課税できる負担軽減措置も盛り込まれた。新たなルールの発効から10年間は追加の特例措置も設ける。

デジタル課税は売上高が200億ユーロ(約2兆6千億円)超で売上高に占める利益率が10%超の企業を対象に、利益のうち10%を超えた部分の「25%」を各国に配分する。大枠合意では「20~30%」としていたが、巨大IT企業を抱えた米国が配分を抑えるよう求めたのに対し、新興国や途上国が反発したことで協議が難航していた。

国際合意が成立する前に一部の国が独自に導入したデジタル課税は「廃止」する方針が明記された。導入予定がある国に対しては、「将来にわたり導入しないこと」も求めた。

OECDは、今回の最終合意を13日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に報告し、閣僚レベルでも合意を確認する。